いわき市議会 > 2006-03-03 >
03月03日-06号

  • "建築基準法"(/)
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  1. いわき市議会 2006-03-03
    03月03日-06号


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    平成18年  2月 定例会             平成18年3月3日(金曜日)議事日程 第6号 平成18年3月3日(金曜日)午前10時開議 日程第1 市政一般に対する質問                ------------------本日の会議に付した事件                〔議事日程第6号記載事件のとおり〕                ------------------出席議員(40名)     1番  蛭田源治君      2番  菅波 健君     3番  佐藤和美君      4番  森田ミエ子君     5番  松本正美君      6番  鈴木 智君     7番  小野邦弘君      8番  小野 茂君     9番  伊藤浩之君      10番  渡辺博之君     11番  阿部秀文君      12番  佐藤和良君     13番  木田孝司君      14番  酒井光一郎君     15番  岩井孝治君      16番  根本 茂君     17番  大平洋夫君      18番  磯上佐太彦君     19番  古市三久君      20番  塩田美枝子君     21番  溝口民子君      22番  高橋明子君     23番  大間守光君      24番  佐久間 均君     25番  蛭田 克君      26番  遊佐勝美君     27番  矢吹貢一君      28番  阿部 廣君     29番  諸橋義隆君      30番  若松昭雄君     31番  樫村 弘君      32番  安部泰男君     33番  猪狩勝省君      34番  野地登久雄君     35番  鈴木利之君      36番  吉田正登君     37番  藁谷利男君      38番  石井敏郎君     39番  遠藤重政君      40番  永山哲朗君欠席議員(なし)                ------------------説明のため出席した者    市長        櫛田一男君   助役        村田文雄君    助役        高津達男君   収入役       飯本丈夫君    教育委員会              馬目順一君   教育長       砂子田敦博君    委員長                      選挙管理委員会    代表監査委員    駒木根登志男君           草野一男君                      委員長    農業委員会会長   草野弘嗣君   総務部長      猪狩正利君    企画調整部長    鈴木英司君   財政部長      陸川克己君    市民生活部長    荒川喜一君   市立病院部長    鈴木正一君    環境部長      上遠野洋一君  保健福祉部長    仲野治郎君    農林水産部長    大和田正人君  商工観光部長    若松勇四郎君    土木部長      高島信夫君   都市建設部長    佐藤 廣君    下水道部長     高木直昭君   消防長       木村 清君                      水道事業管理者    教育部長      山田 満君   職務代理者     佐々木 仁君                      水道局長    監査委員              農業委員会              渡邊義典君             永山肇一君    事務局長              事務局長    参事(兼)総務課長  鈴木文夫君   秘書課長      増子裕昭君                ------------------事務局職員出席者    事務局長      上遠野直人君  次長(兼)総務課長  高橋 齊君                      議事調査課    議事調査課長    箱崎紀雄君             太 清光君                      主幹(兼)課長補佐    調査係長      永井賢一郎君  議事係長      遠藤義道君    主査        加藤高明君   主査        早水孝太郎君    事務主任      青木理香君   事務主任      矢内邦彦君                    ---------                  午前10時00分 開議 ○副議長(鈴木利之君) これより本日の会議を開きます。本日の議事は、配付の議事日程第6号をもって進めます。------------------ △日程第1 市政一般に対する質問 △阿部秀文君質問 ○副議長(鈴木利之君) 日程第1、市政一般に対する質問を行います。11番阿部秀文君。              〔11番阿部秀文君第二演壇に登壇〕 ◆11番(阿部秀文君) (拍手)おはようございます。11番秀進会阿部秀文であります。 きょう、3月3日は桃の節句です。古来、上巳の節句、あるいは重三の節句とも言われてきておりまして、その昔は、不浄をはらうために水辺でみそぎなどをしたということであります。一方では人形をつくり、その人形で体をなでて、汚れを移してから水に流す行事も同時に行われていたようであります。この人形からおひなさまが生まれたわけですが、現在のようにおひなさまを飾る祭りになったのは、江戸時代の後期に発展したと言われております。ひな祭りでは、特に女の子のいる家で、将来この子が幸せな結婚ができるようにと願いながら飾り、お祝いを行ってまいりました。しかし最近では、住宅事情などもありまして、だんだんひな人形を飾る機会が減ってきてしまったのが残念でなりません。 昔からの行事や言い伝えには、人間が営んでいく上でのさまざまな節目に当たりまして、注意することや必要なこと、先祖や自然への感謝や敬う気持ちなどを忘れないようにと、いにしえからさまざまな形となって伝わってきているものであると思います。日本のよき伝統というものが、私たちの時代で途切れることのないよう、日本人の心というものを後世へしっかりとつないでいく責任を果たしていくこともまた私たちの大事な務めではないかと改めて思い、肝に銘じた次第であります。 それでは、ただいまより、通告順に従いまして質問をさせていただきます。 大きな1点目は、市内の雇用についてであります。 国内の経済動向は、内閣府が2月17日に発表しました昨年10月から12月期の国内総生産、いわゆるGDP速報によりますと、物価変動の影響を除いた実質GDPは前期比1.4%となっています。年率換算で同じく5.5%のプラスと高い伸び率となっております。プラスの成長は四半期連続です。一年を通じての実質成長率は2.8%のプラスと6年連続のプラス成長となりました。 さらに、政府が同じく2月22日に発表した2月月例経済報告では、景気の基調判断を前月までの緩やかにに回復しているから、回復しているとして上方に修正しました。判断上げは、景気の踊り場脱却を示した昨年8月以来、半年ぶりのものです。個別で輸出の生産の判断を緩やかに増加と前進させました。これは、個人消費、設備投資、輸出がバランスよく回復に貢献しているとの見方であります。景気回復は、この先も続くとの見方が多く、ことし5月にはバブル景気、そして11月にはいざなぎ景気の拡張期間を抜くとのことであります。その主な理由は、企業収益が改善し設備投資が堅調に推移しておること、街角の景況感を集計する1月の景気ウオッチャーの調査でも、先行き判断指数は56.4と過去最高となっておりまして、これまで回復基調が弱かった北海道や四国なども含め全地域の指数が改善し、日本全体では回復がおくれていた地域にも明るさが広がりつつあることなどによるものであります。また、足元の景気は、雇用環境が上向いたことで消費に安定感が増してきたとも言われております。ただ、今後の日本経済の動向につきましては、特に原油価格の動向などのリスクを抱えながら、回復の持続力が試される局面に移ることになるとの見方が大勢であります。 日銀のことし1月の地域経済報告によれば、東北地方は全体として昨年10月時点より改善し、緩やかに持ち直しているとして上方修正されております。その中で生産は、IT関連や自動車関連の回復基調から、全体として緩やかに持ち直していると、設備投資についても引き続き増加しておると。個人消費は底がたさがうかがわれ、雇用については全体として緩やかな改善傾向にあるが、所得は全体として低調に推移しておると判断・報告されております。 一方、県内の景気につきましても、企業間・地域間でばらつきを伴いながらも、持ち直しの動きは続いております。福島県が2月24日に発表しました最近の経済動向でも、個人消費の一部に明るい動きが見られるとして、前月発表より表現を上方に修正しております。個人消費は、大型小売店販売額がほぼ1年ぶりに前年を上回ったこと、生産活動でも、鉱工業生産指数が5カ月連続で前年同月比を上回っていること、雇用・労働面では新規求人倍率有効求人倍率とも前月をそれぞれ上回っていることなどからであります。さらに、同じく同日発表の2005年の県の賃金・労働時間・雇用の動きによりますと、所定外労働時間、いわゆる残業が11.9時間で前年比1.1%増、決まって支給する給与は26万5,466円で前年比0.1%増と、それぞれわずかに増加をしていると報告されています。 いずれにしましても、景気を大きく左右する内需の約半分を占めている個人消費の動向を考えた場合、勤労世帯が安心して消費に回すことができるかどうかがかぎを握っており、その背景を考えた場合には、雇用が安定しているかどうかか一番大事なことではないかと思います。特に地方の場合は、都市部に比べて回復のテンポが緩やかであることから、回復の実感が乏しいのが現実であると思います。そのような状況も踏まえ、元気ないわきのまちづくりを進めていくためにも、市内の雇用の状況について伺ってまいりたいと思います。 まず、求職と求人の状況についてであります。 日本経済の立ち直りを背景にして、厚生労働省の発表では昨年12月の有効求人倍率が1.00倍となり、13年ぶりの水準に回復したとのことでありました。また、総務省発表による05年平均の完全失業率も前年から0.3ポイント低下した4.4%となり、3年連続で改善しております。失業者の求職理由では、企業倒産などの勤務先理由が減りまして、自己都合がふえてきているとのことであります。好調な企業業績を背景にして、企業の求人意欲が好転し、雇用情勢の改善につながっていると分析されております。 それらを踏まえてまず1点目ですが、市内の有効求人倍率は現時点で幾らになっているのかお伺いします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 現在、公表されている最新の有効求人倍率は平成17年12月末現在のものであり、その倍率は0.99倍となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 2点目ですが、市内の公共職業安定所、すなわちハローワークが平と勿来の2カ所にありますが、ハローワーク別に見た場合、倍率はどのようになっているのかお伺いします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 同じく12月末現在の倍率は、平公共職業安定所管内が1.01倍、勿来公共職業安定所管内が0.89倍となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 3点目ですが、市内の過去5年間の有効求人倍率の推移についてお伺いします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 過去5年間の12月末現在の有効求人倍率は、平成12年が0.73倍、平成13年が0.41倍、平成14年が0.47倍、平成15年が0.73倍、平成16年が0.95倍となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 4点目ですが、市内の雇用の状況というものを見ていく上で、県内の状況も十分に把握しておく必要があると思います。そこで、県内主要各地区の現時点におけます有効求人倍率の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 県内の主要各地区の有効求人倍率は、同じく平成17年12月末現在で、福島公共職業安定所管内が0.72倍、郡山公共職業安定所管内が1.18倍、会津若松公共職業安定所管内が0.79倍となっております。 ◆11番(阿部秀文君) ただいまお聞きしました県内主要地区と比較した場合、本市の特徴点についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本市の有効求人倍率は、県内主要4地区の中では郡山公共職業安定所管内に次ぐものであり、雇用状況は回復基調にあるものと認識しております。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、具体的に職を求めている方々と、一方で必要な人材を求めている事業者の状況についてであります。 1点目は、市内ハローワーク別の求職者の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市内の有効求職者数は、同じく平成17年12月末現在で、平公共職業安定所管内が5,459人、勿来公共職業安定所管内が1,073人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 各企業からの求人募集の内容についてですが、さまざまな求人募集があると思いますが、統計的に見た場合の職業別の特徴についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 求人募集の職業別の特徴といたしましては、平成17年12月末現在の常用雇用者の求人内容を見ますと、機械器具等組み立て作業や土木作業等の生産工程労務の職業が全体の36%、次いで飲食関係などのサービス業が17%、機械・電気技術者等の専門・技術的職業が16%を占めている状況にあります。 ◆11番(阿部秀文君) 同じく、年齢別から見た場合の求人募集の特徴についてお伺いしたいと思います。
    商工観光部長(若松勇四郎君) 求人募集の年齢別の特徴につきましては、同じく平成17年12月末現在の常用雇用者の求人内容を見ますと、24歳以下が24%、25歳から34歳までが30.2%、35歳から44歳までが22.8%、45歳から54歳までが12.5%、55歳以上が10.5%となっており、高齢者の就職は厳しい状況となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 正社員の求人募集率が下がってきていると言われているわけであります。市内の状況では、常用雇用だけの求人を見た場合、有効求人倍率はどうなるのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 常用雇用者のうち、パートタイマーを除いた有効求人倍率は0.79倍となります。 ◆11番(阿部秀文君) 同じく過去5年間の推移を見た場合はどうかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 常用雇用者のうち、パートタイマーを除いた過去5年間の有効求人倍率を申し上げますと、平成12年が0.55倍、平成13年が0.31倍、平成14年が0.35倍、平成15年が0.52倍、平成16年が0.78倍となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 国の規制緩和などによりまして派遣事業など、いわゆる常用的パート社員の募集がふえてきているとも思いますが、特徴についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本市の平成17年12月末現在の常用的パートタイマーの有効求人数は、5年前の同時期と比較いたしまして1.7倍となっております。その内容を見ますと、飲食関係などのサービス業や、機械器具等組み立てや土木作業等の生産工程労務の職業の求人が増加している状況にあります。 ◆11番(阿部秀文君) 一方で、雇用のミスマッチが起きているのではないかという指摘もされているわけですが、現状をどのように分析されているのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 平成17年12月末現在の有効求人倍率は0.99倍と高水準になっておりますが、同時期における就職率は37.4%にとどまっている状況にあります。この理由といたしましては、求人する側と求職する側がそれぞれ求める職種、雇用形態及び資格等を含めた技術的能力が一致しないことなどによる、いわゆる雇用のミスマッチによるものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 時代の要請にマッチした専門性を持った人材を育成していくこと、すなわち市内事業所などが必要としている人材を、必要な企業へ紹介していくことが雇用の促進に効果があると考えるわけであります。 そこで、産学官が連携などして人材育成に取り組み、市内求職者の就職支援に積極的につなげていくことが必要とも考えますが、お考えをお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 職業能力のミスマッチに的確に対応し、求職者の就職支援を図るためには、企業のニーズ等に対応した職業能力の開発を推進することが必要であります。 これまで市内においては、企業が求めるIT化に対応するため、求職者のパソコン操作技術を高める離職者等IT研修会や、CADや金属加工の技術などを習得し、離職者の早期再就職を促進するための職業訓練、また国の構造改革特区の認定を受けたいわき地域の産業を支える情報化リーダー育成特区を活用した講座の開設など、求職者の職業能力の向上に向けて、市を初めとした関係機関等がそれぞれ連携した取り組みを進めているところであります。また、商工会議所等においては、学校や企業等と連携し、高校生や大学生等を対象とした職場体験、いわゆるインターンシップを実施しております。 今後、技術革新の進展、産業構造の変化が進む中で、これら時代の要請にあった人材の育成はますます重要になるものと考えられますことから、今後とも、産業界や労働界のニーズを把握しつつ、産学官の密接な連携を図りながら、求職者の職業能力の開発に関する支援を図ってまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 職を求めている人が、働きたいが働く場所がない、雇ってくれるところがないというのでは、生活の糧となる収入が不安定になってしまいまして、安心して暮らすことができないのは周知の事実であります。本市としましても、国や県とも連携を深めながら、市民の雇用の安定確保に向け、引き続いて努力をよろしくお願いしたいと思います。 続いて、新規高卒・大卒者の内定状況についてであります。 今春卒業予定で、就職を希望している高校生の内定率が、文部科学省の調査では昨年12月末現在で77.9%と、前年同期を4.5ポイント上回っているとしまして、全国で内定率の改善が進んでいます。県内では、福島労働局の発表によりますと、ことし1月末で就職内定率が84.6%と前年同期を7.8ポイント上回り、この時期に80%を超えたのは5年ぶりのことでした。このことは、経済状況の好転による要因ばかりではなく、学校関係者を初め、行政も含めたさまざまな関係各位の地道な努力も相まっての結果ではないかと、このようにも思っているわけです。さらに、この状況は3年連続で全国的にも就職環境が改善されてきているとのことであります。 そこで、市内におけます今春就職予定の高校生・大学生の就職内定の動向についてお伺いをしてまいりたいと思います。 まず1点目ですが、新規高卒者の現時点における求職者の内定の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 本年度末現在の新規高卒者のうち、平成18年1月末現在、就職を希望する生徒は1,103人であり、就職内定者の数は894人となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 2点目ですが、新規高卒者の内定率がどのようになっているのか、前年度と比較してお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) ただいま申し上げました平成18年1月末現在の就職の内定率は、81.1%となります。前年同時期と比較いたしまして、9ポイント上回っております。 ◆11番(阿部秀文君) 新規高卒者につきまして、過去5年間の推移についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 過去5年間の新規高卒者の就職内定率は、各年1月末現在の同時期におきまして、平成13年が70.7%、平成14年が62.8%、平成15年が53.2%、平成16年が60.5%、平成17年が72.1%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) この新規高卒者につきまして、県内主要各地区から見た場合、本市内における特徴点は何かお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 県内主要各地域の就職内定率で見ますと、県北地域が88.4%、県中・県南地域が85.8%、会津地域が83.4%となっており、本市は81.1%でございますので、いずれも下回っている状況にあります。その要因といたしましては、本市の場合、他地域と比べまして地元志向が強い傾向にあることや、先ほど申し上げました希望する職種と合わない、いわゆる雇用のミスマッチが生じていることなどが考えられます。 ◆11番(阿部秀文君) 次ですが、市内にも、福島高専を含めますと4つの大学があります。そこで、今春就職予定者の市内大学生の就職内定状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市内大学生の就職内定状況は、平成18年1月末現在で、就職希望者572人に対し就職内定者数は328人、就職内定率は57.3%となっており、前年同期と比べまして6.4ポイント上回っております。 ◆11番(阿部秀文君) 部長の答弁では、前年よりは改善しているということですが、一方で、高卒者の内定状況から見ると、大学生が相当低いのではないかとも思うわけです。大学生の場合は、就職活動は高校生よりも早く始まっているわけでありますから、この就職率が高校生よりも低いというのは、相当厳しい状況にあるのではないかとも受けとめられるわけですが、この就職率をどのように受けとめているのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 市内大学生の就職内定状況が高卒者よりかなり低くなっている要因につきましては、大学の就職担当者等に聞き取り調査等をいたしました状況によりますと、やはり高卒者の場合と同様、またそれ以上に、大卒者の場合は地元志向が強いということが1点ございます。また、先ほど申し上げましたように、希望する職種、雇用形態及び資格等を含めました技術的能力が、求職者と雇用する側で一致しないことなどによる、いわゆる雇用のミスマッチによるものと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 就職の内定率の向上に向けまして、新規高卒者就職面接会などいろいろ開催されているわけですが、就職活動への支援の内容についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 就職活動への支援に向け、市といたしましては、これまでも公共職業安定所及び県との共催による就職面接会を開催し、企業との面談の場を提供しているほか、市内の経済4団体に対する求人確保の要請や企業訪問による求人開拓など、雇用機会の確保に努めてまいりました。また、将来の就職活動に備え、高校1・2年生を対象とした高校生就職支援事業を実施し、就職に対する意識づけや職業観の醸成を図っているところであります。今後につきましても、引き続き、国・県と密接な連携を図りながら、1人でも多くの新規の高卒者や大卒者が就職できるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 学生の皆さんが安心して社会に巣立つことができますように、引き続き国や県と協調しながら、そして経済界への働きかけや協力も得ながら、就職希望者の内定率向上へ一層の努力をお願いしたいと思います。 次は、民間と自治体の障がい者の雇用についてであります。 すべての市民が安心して暮らせるまちづくりを目指していくことが大事なことでありますけれども、市民の生活のベースとなるのは、やはり自分で働き賃金を得ていくことでありまして、一方では、生きがいづくりも含めれば最も大事なことであると思います。さまざまな理由から、障がいがある人でも安心して働ける社会的な仕組みづくりが必要であります。 そこで、質問の1点目ですが、民間企業、国、地方公共団体は、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づきまして、それぞれの割合に相当する数以上の身体障がい者、または知的障がい者を雇用することを事業主に義務づけております。そこで、まずこの法律で定められております法定雇用率の内容についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 法定の障がい者雇用率は、一般企業については1.8%、地方公共団体については2.1%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、市内民間事業者の過去3年の雇用率の推移についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 過去3年間の6月1日現在の市内民間企業者の障がい者雇用率について申し上げますと、平成14年1.49%、平成15年1.47%、平成16年1.29%でございます。 ◆11番(阿部秀文君) 全般的に見れば、民間事業者ではなかなか思い切った雇用状況の改善が進んでいないという状況があるのではないかと受けとめたところですが、では、本市の雇用率についてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 同じく6月1日現在でございますけれども、雇用率は1.67%となってございます。 ◆11番(阿部秀文君) 本市が雇用している人数は何人になるのかお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 職員の数は、36人でございます。 ◆11番(阿部秀文君) 法定雇用率が守られていない事業主への法的な対応はどうされているのかお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 障がい者の雇用率が著しく低い事業主に対して、国は障がい者の雇い入れに関する計画の作成を命じ、その計画的な雇い入れを推進することとしており、当該計画が適正に実施されない場合等には、勧告や公表することができるとされております。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、県内他市の雇用率の状況についてお伺いしたいと思います。 まず1点目ですが、主な県内他市の民間事業者の現時点における雇用率の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 平成17年6月1日現在の県内他市の障がい者雇用率について申し上げますと、民間事業者の場合ですが、福島公共職業安定所管内が1.59%、郡山公共職業安定所管内が1.39%、会津若松公共職業安定所管内が1.62%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 同じく県内他市、自治体の雇用率の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) 同じく6月1日現在でございますけれども、福島市が2.06%、郡山市が2.44%、会津若松市が1.99%となっております。 ◆11番(阿部秀文君) ただいま、特に本市の状況と他市の状況を伺ってまいりましたが、これらを踏まえますと、自治体としての本市の雇用率は法定雇用率を相当満たしていないわけであり、県内他市から見ても甚だ問題があるのではないかとも思います。一方で、法定雇用率を満たしている事業者が市内には多いわけですから、指導にも影響があるのではないかとも思ってしまうわけであります。 そこで、本市のこの状況を早急に改善する必要があると考えますが、どのように対処される考えなのかお伺いしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) いわき市の雇用率でございますけれども、平成13年度までは法定雇用率の2.1%を超えておったわけでございますけれども、その後、大量に職員が退職してしまったと。それから、対象の職員数、今までは病院の看護師とか保育士とかについては対象外であったわけですけれども、法改正がありまして対象となったということで大幅にダウンしてしまったという経過がございました。その後、雇用率が下回っているということを重く受けとめまして、平成15年度の採用試験からは採用の年齢要件、これは一般の採用試験と比較しまして年齢要件を2歳高めるとか、それから昨年からは、一般の採用試験と別枠で障がい者のみを対象とした採用試験を実施してきたところでございます。 このような努力をしておって、徐々に効果は上がっておると受けとめてはおるんですが、現時点ではまだ下回っているということで、これからもこのような取り組みを積極的に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆11番(阿部秀文君) 改正障害者雇用促進法がこの4月から施行されるわけでありますが、雇用面から見た改正のポイントについてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) このたびの障害者雇用促進法の改正は、働く障がい者、働くことを希望する障がい者を支援するため、障がい者の就業機会の拡大を図ることを目的としたものでございます。改正の主な内容といたしましては、精神障がい者に対する雇用対策を強化するため、これまでの障がい者雇用率の算定の対象に精神障がい者を加え、また自宅等で就業する障がい者を支援するため、企業が仕事を発注する場合において、当該企業に対する特例調整金等の支給、さらには福祉的就労から一般雇用への移行を促進するなど、障がい者雇用施策と福祉施策との連携を一層強化することなどがその内容となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 法の改正を目前にしておりますが、障がい者の雇用促進に向けまして、法定雇用率未達成企業に対する指導強化が必要と考えますが、その方策などについてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) これまで、公共職業安定所や社団法人福島県障害者雇用促進協会等の関係機関との連携のもと、障がい者雇用の促進に向けた広報・啓発活動に取り組んでまいりました。今回の障害者雇用促進法の改正を踏まえ、今後、市内事業所における障がい者雇用の一層の促進を図るため、広報紙や市ホームページを活用し、法改正の趣旨や障がい者雇用に係る各種助成金制度等の広報に努めるなど、市民や事業主の理解を得ながら、障がい者雇用率の未達成企業の解消に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 企業は社会の公器と言われますように、法律など特に遵守すべきことはきちっと守ることは当たり前のことであると思います。障がいを持たれている方は、その分ハンデがあるわけで、社会的仕組みの中で手を差し伸べ、救済や自立の手助けをしていくことは、同じ人間として当たり前のことであると思います。本市の対応も含め、厳正な指導をよろしくお願いしたいと思います。 次は、工業団地による雇用についてです。 現在、市内には大規模な好間中核工業団地を初めとしまして、この4月から分譲開始予定のいわき四倉中核工業団地までを含めますと15の工業団地があります。そこで、雇用の面では欠かせない働く場というものを確保する観点からも、工業団地の状況についてお伺いしたいと思います。 まず1点目ですが、いわき四倉中核工業団地を除く市内14工業団地の分譲の状況についてお伺いします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 四倉中核工業団地を除く市内14カ所の工業団地の分譲状況につきまして、現在、小名浜臨海工業団地を初め、10カ所の工業団地が完売しており、分譲中の工業団地は4カ所であります。市内工業団地全体といたしましては、用地面積約760.5ヘクタールのうち746.2ヘクタールが分譲済み、分譲率は約98.1%であり、未分譲面積は約14.3ヘクタールとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 14工業団地の中で、現在も分譲中の工業団地の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 分譲中の工業団地4カ所のそれぞれの未分譲区画数、未分譲面積は、いわき好間中核工業団地が1区画、約1.8ヘクタール、いわき中部工業団地が4区画、約3.0ヘクタール、銭田工業団地が11区画、約8.9ヘクタール、いわきアカイテクノパークが2区画、約0.6ヘクタール、合計の未分譲面積が約14.3ヘクタールとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 平成15年度に進出企業への奨励金が改正され、現在に至っているわけです。そこで、奨励金の対象となって新設された企業数についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 対象となった企業数は、15社であります。 ◆11番(阿部秀文君) 同じく進出企業の従業員数についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 従業員数は、261名であります。 ◆11番(阿部秀文君) いわき四倉中核工業団地が、この4月から分譲開始されるわけであります。そこで、企業誘致に向けまして、これまでさまざまな活動が展開されてきていると思いますが、その内容についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) いわき四倉中核工業団地の企業誘致の活動内容といたしましては、事業主体の独立行政法人中小企業基盤整備機構及び福島県との連携により、ダイレクトメールの発送、新聞・ラジオ・インターネット・首都圏JR線の車内広告などの各種広報媒体を活用した広報宣伝活動を実施してまいりました。 また、市東京事務所や本年度新たに設けました企業誘致非常勤専門員と連携を図り、首都圏の企業や関係機関・団体等に対し、団地のPR及び立地情報提供の協力依頼を行っており、これら活動によって情報を収集した立地可能性のある企業に対しては、個別訪問や現地案内を効率的に実施するなど、本年4月の分譲開始に向けて積極的に誘致活動を展開しているものであります。 ◆11番(阿部秀文君) この4月からの分譲開始に向けまして、進出意欲がある企業の動向などについてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 進出意欲のある企業の動向につきましては、現在、数社の企業の皆様から、いわき四倉中核工業団地への具体的な立地の意向を確認しているところであります。 ◆11番(阿部秀文君) 雇用の面で最後の質問になりますが、勤労者に関係する各種法改正が進む見込みでございます。例えば、改正高齢者雇用安定法、改正育児介護休業法などの改正、これらが今後進んでいくわけですが、今後の雇用対策に対します本市の考え方についてお伺いしたいと思います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 少子・高齢化の進展や、いわゆる2007年問題などによりまして、労働力人口が減少する時代を迎えようとしていることを踏まえ、国においては、高齢者雇用や次世代育成支援に係る各種法制度の整備等が進められております。本市におきましても、将来にわたり地域経済の発展を図る上で、雇用の安定は重要な課題であると認識しております。 このことから、いわき市雇用安定対策会議やいわき地域産業雇用連絡協議会等を通じて法制度の周知に努めるとともに、これまでの雇用確保に関する取り組みを継続して進めてまいりたいと考えております。また、産学官との連携による新たな産業の創出や育成に向けた事業の推進に取り組むとともに、本年4月から分譲が予定されております四倉中核工業団地への企業誘致など、積極的な雇用の創出に努め、さらには公共職業安定所等との関係機関と連携し、きめ細やかな就労支援対策に取り組むなど、総合的な雇用対策を推進してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 今後とも、市民の雇用の安定へ向けて、本市の取り組みについてよろしくお願いしたいと思います。 次の大きな2番は、廃棄物の不法投棄をなくすためにであります。近年におけます経済社会の進展は、私たちの生活を豊かにした反面、多種多様な廃棄物を生み、この不適正な処理がさまざまに形を変えて市民生活を脅かし、大きな社会問題となっております。 そこで、市内の不法投棄の現状についてお伺いしてまいりたいと思います。 まず1点目ですが、市内の廃棄物不法投棄の通報件数の推移についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 過去3カ年について申し上げますと、平成14年度が379件、平成15年度が448件、平成16年度が480件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) そのうち市民からの通報件数についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成14年度が197件、平成15年度が264件、平成16年度が194件となっております。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、廃棄物不法投棄の内容の傾向について、どのようにとらえているのかお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 一般廃棄物の不法投棄が全体の約9割と高い割合を占めております。そのうち廃棄物の種類といたしましては、燃えるごみ、燃えないごみ、大型ごみ、缶類、瓶類、廃家電、廃タイヤなど多種多様なものとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) 不法投棄の状況について伺ったわけですが、それでは、その不法投棄の撲滅に向けたさまざまな対策が取り組まれていると思います。そこで、まず1点ですが、市内の不法投棄監視員が設置されておりますが、その役割について改めてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 不法投棄監視員につきましては、地域に密着した存在として、不法投棄発見時の市への通報や不法投棄されやすい場所などの監視活動と、そのような土地の占有者等に対する指導助言を行う一方、不法投棄を行ったもの等に対する指導勧告、そしてまた地域住民に対する不法投棄に関する啓発活動を行っております。 ◆11番(阿部秀文君) この不法投棄監視員が増員されまして、現在では63名の方にお願いされているわけですが、その効果をどのようにとらえているのかお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) ただいま御指摘のように、昭和63年に30名で発足して以来、平成2年には49名に、平成16年に63名にと増員してまいりましたが、その効果といたしましては、より一層、地域に密着したきめ細やかな監視と指導ができるようになったことで通報件数が増加するなど、早期発見と撤去等に効果が上がっているものと認識しております。 ◆11番(阿部秀文君) この不法投棄をなくすために、特に夜間や休日の監視活動を強化されてきているということでありますが、状況についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成13年度から警備会社に委託いたしまして、市内の不法投棄されやすい場所について、早朝、夜間、休日等において、年間約180回の頻度で監視パトロールを行っておりますが、これまで監視箇所数をふやすとともに、今年度からは、特に投棄されやすい場所について、さらに重点監視を行っております。 ◆11番(阿部秀文君) 不法投棄への対策としまして、特に悪質な不法投棄者には告発も必要でありますし、抑止効果をさらに高めるためにも、警察との連携が重要であると思います。その観点から、福島県より警察官の派遣を受け入れていると思いますが、活動の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 市外から持ち込まれた廃タイヤの不法投棄や、広域的・組織的な犯行によって関東圏から持ち込まれた建設系廃棄物の不法投棄等の悪質な不法投棄事案等について、3警察署との緊密な連携により投棄者を早期逮捕するとともに、強い指導力によって、投棄者等に現場の早期原状回復を実施させるなど、解決に向けた取り組みに多大な実績を上げております。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、不法投棄への対策としまして巡回清掃活動というものが行われておりますが、活動の状況についてお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) これにつきましては、平成16年度から市内全域にわたって民間の皆様に委託して、監視を含めた巡回清掃事業を年間約120回の頻度で実施し、監視体制の強化・充実とともに早期に清掃活動を行うことで、さらに投棄されにくい環境の確保ということに努めております。 ◆11番(阿部秀文君) 不法投棄の監視強化の取り組みの一環としまして、郵便局など各種の団体と協定を締結されておりますが、その活動の状況についてお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 市といたしましては、これまで市内郵便局を初めとして、市内6団体と廃棄物の不法投棄等についての情報提供に関する協定を締結いたしまして、各団体の特徴を生かした監視の目の強化に努めてまいりました。その活動内容といたしましては、協定締結団体の職員等が、通勤途上や業務中に不法投棄等を発見もしくは目撃した場合に、市への通報を行うこととしております。 ◆11番(阿部秀文君) 罰則の強化が不法投棄の抑止には大変有効であるとも考えられるわけですが、法律が強化されてきた状況についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) これまで罰金の引き上げ等、数次にわたって廃棄物処理法が改正されておりますが、直近におきましては、平成15年の改正において不法投棄未遂罪の創設など罰則の強化が図られましたほか、不法投棄された場所の原状回復について、排出事業者にまで責任を問うことができる制度設定など、不法投棄の抑止に向けた仕組みづくりが進められてきております。 ◆11番(阿部秀文君) これまで社会問題となったような大規模な不法投棄事案の状況から、他市との連携も重要課題であると思いますが、ほかの自治体と連携した活動の状況についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 本市におきましては、関東圏の事業者による不法投棄事件が多いことから、広域的な視点で迅速、円滑に対応するため、平成15年度以降、廃棄物処理法に基づく許可権を持つ首都圏近郊の27団体で構成する産業廃棄物不適正処理防止広域連絡協議会に参画し、定期的な情報交換や、参加自治体による各高速道路インターチェンジなどでの不審車両に対する一斉路上調査など、不法投棄の未然防止に向けた取り組みを行っております。 ◆11番(阿部秀文君) 先ほどの不法投棄の中身をお聞きしますと、主に家庭ごみなどが多いのではないかとも推察するわけであります。そこで、市民への啓発活動も大変重要と思いますが、どのような活動を展開されているのかお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 市民への啓発活動といたしましては、これまで広報いわきや市のホームページ、FMいわき、オリジナルポスター、ごみ収集カレンダー等の広報媒体を活用するほか、広く市民の皆様が集うわくわくいわきなどの各種イベントにおける啓発資材の配布など、あらゆる機会を通じて啓発に努めてまいりました。 ◆11番(阿部秀文君) 次は、市内で社会問題となった2件の事案の復旧、原状回復の状況についてであります。 まず1点目は、四倉町のドラム缶不適正保管の事案について、現状はどのようになっているのかお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成10年度から平成11年度までの間に、地上と地中のドラム缶とドラム缶周辺の汚染された土壌の撤去を行っており、現在は、現地において残存する汚染レベルの低い土壌の洗浄作業と水処理による地下水の浄化作業に努めております。 ◆11番(阿部秀文君) それでは、今年度の事業費を含めた総事業費は幾らになっているのかお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成11年度の中核市移行によって、本市が平成16年度までに支出した総事業費は約15億2,000万円であります。さらに、今年度の事業費は3,392万円の支出を見込んでおります。 ◆11番(阿部秀文君) 今後の復旧、原状回復への見通しについてお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 地下水の有害物質濃度が低くなっておりまして、汚染土壌の浄化は進んでおりますが、一部の有害物質についていまだ回復傾向が認められず、現段階では終期を判断する状況に至らないために、引き続き原状回復に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 2点目は、沼部地区廃坑廃油不法投棄の事案についてであります。現状についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成2年度から平成5年度にかけて廃坑内の廃油の回収作業を終了しております。そして現在は、現地に水処理施設を整備いたしまして、汚染地下水をくみ上げ、その浄化作業を継続しております。 ◆11番(阿部秀文君) 今年度の事業費を含めた総事業費についてお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成11年度の中核市移行によって、本市が平成16年度までに支出いたしました総事業費は約9,900万円となっておりまして、今年度の事業費といたしましては1,003万円の支出を見込んでおります。 ◆11番(阿部秀文君) 今後の復旧、原状回復への見通しについてお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 現地に設置した水処理施設で、これまで相当量の汚染地下水をくみ上げて浄化に努めておりますが、この結果、汚染区域は大分狭まってきておりますものの、現段階では終期を判断するまでに至らないことから、浄化技術の進展等を見極めるとともに、さらに専門家の提言を仰ぐなど原状回復に努めてまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 不法投棄をされてしまいますと、復旧、原状回復に向けた重い費用負担と非常に長い期間がかかってしまうわけであり、まさに多くの市民に迷惑がかかっていると思います。これらを教訓にして、二度と起きないようにしていかなければならないと思いますし、この2件の事案がなるべく早く復旧、原状回復されるようお願いしたいと思います。 そうしたことを踏まえて、大きな3点目はリサイクルプラザの事業についてであります。 まず1点目の質問ですが、クリンピーの家の事業の状況について、資源選別されている品目ごとの量についてお伺いします。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 資源選別しております品目は、スチール缶、アルミ缶、瓶類、ペットボトル、そしてプラスチック製容器包装の5品目であります。平成16年度の処理量の実績は、スチール缶が1日当たり2.6トン、年間で803トンとなっており、アルミ缶は同様にそれぞれ2トン、609トン、瓶類は8.3トン、2,541トン、ペットボトルは2.7トン、831トン、プラスチック製容器包装は7.9トン、2,436トンとなっており、総量といたしましては1日当たり23.5トン、年間7,220トンとなっております。 ◆11番(阿部秀文君) この分別収集によりまして、有価物として売り渡しをしていると思いますが、その額は幾らになっているのかお伺いしたいと思います。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 分別収集いたしました5品目のうち、有価物としてリサイクルされているものはアルミ缶に限られておりますが、過去3年間の推移をその金額で申しますと、平成14年度4,930万350円、平成15年度4,634万6,000円、平成16年度4,704万820円となっております。 ◆11番(阿部秀文君) このリサイクルプラザクリンピーの家では、まだまだ使えそうな自転車や家具などの補修を加えることにより、リサイクル品としてよみがえり、市民に大いに喜ばれ役立っておりますが、それでは、どのくらいが修理再生されているのかお伺いしたいと思います。
    ◎環境部長(上遠野洋一君) 平成16年度の実績で申し上げますと、自転車140台、家具130点が修理再生されております。 ◆11番(阿部秀文君) 次に、最後の質問は、不法投棄防止に向けた新たな取り組みについてであります。 まず1点目は、監視カメラの導入についてであります。 監視カメラを設置することにより、市内への不法投棄の未然防止や不法投棄者の特定に役立てることができること、さらには24時間監視可能となることであります。設置場所につきましては、特に不法投棄は常習的に行われており、地域への一定の抑止効果が期待されております。そこで、監視カメラの導入についての考えをお聞かせください。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 福島県におきましては、本年4月から導入する産業廃棄物税を財源とした産業廃棄物の適正処理に係る事業の一環として、中核市に対する交付金制度を創設し、現在、交付要綱等を整備中であると聞き及んでおります。ただいまの監視カメラにつきましては、県も採用を検討中との情報も得ておりますことから、これらも参考にその有効性等を調査・検討するとともに、交付金対象事業としての適否について県と協議してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 2点目は、不法投棄監視員のさらなる増員についてであります。 監視活動中であるというアピール効果もありまして、結果として、不法投棄を思いとどまらせることへの効果は大きいと思われますが、現時点での考えをお聞かせください。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 不法投棄監視員の増員につきましては、先ほどの質問にもありましたように、平成16年度に増員をしてまいりましたが、その有効性の見極めとともに、これも先ほどの交付金対象事業としての適否について県と協議しつつ検討してまいりたいと考えております。 ◆11番(阿部秀文君) 最後の質問でありますが、警察官OBの活用の検討についてです。特に、悪質な不法投棄者の対象や未然防止に向け、警察官を経験されてきた専門性の高い指導力が期待できると思います。そこで、警察官OBによる監視員の委嘱も検討すべきではないかと思いますが、考えについてお聞かせください。 ◎環境部長(上遠野洋一君) 警察官OBの活用ということで、監視員の設置をしてはどうかというお話でございますが、これについて県は既に採用しております。我が方としましてもその有効性の調査・検討を行って、先ほどお話ししました交付金対象事業になるかどうかということでの適否について、県とも協議しながら採用について検討してまいりたいと考えております。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午前11時10分まで休憩いたします。                午前11時01分 休憩                  ---------                午前11時10分 開議 △森田ミエ子君質問 ○副議長(鈴木利之君) 休憩前に引き続き会議を開きます。4番森田ミエ子君。              〔4番森田ミエ子君第二演壇に登壇〕 ◆4番(森田ミエ子君) (拍手)きょうは弥生、3月3日ひな祭りです。きょうのよき日に一般質問をさせていただくことに大変光栄に存じまして、ただいまより通告順序に従いまして一般質問をさせていただきます。4番論政会森田ミエ子でございます。 21世紀は心の時代と言われながらも、弱者を取り巻く社会的状況は心のひずみを抱える病理的現象に歯どめがかからず、心の時代とは逆に心の荒廃に進んでいると思うのは私だけでしょうか。歴史の中で、心の豊かさより物質的豊かさや便利さを追い求め、大量生産、大量消費、大量廃棄に先走り、真の意味での人を育てる、心を育てることに重きを置かずして今日に至った結果が今の社会問題となっているのではないでしょうか。今、私たち一人一人が心の豊かさを取り戻し、物への価値観を、心を中心とした価値観に転換した生活スタイルに構築することが必要だと思います。私たちは、自然や万物の中で生かされている、自然との共生、人と人とのきずなの中でその中心は家庭であり、夫婦という横のきずなと親子という縦のきずなの接点が家庭という基盤をつくり、これが人間形成の基本ではないでしょうか。社会の基本単位は家庭であり、家庭教育を中心とした学校教育、社会教育を通し人間形成の見直しが今必要だと思います。 本市の平成18年度の重点施策は、市民の安心・安全を第一とし、教育・福祉の充実に重点を置くという市長の政治姿勢に対し、市民の代表として、またいわき市民の1人として敬意を表し、以下、いわき市の教育行政について質問をさせていただきます。 まず1点が学校教育について、学社連携の進捗状況についてお伺いいたします。 子供を取り巻くもろもろの状況から、学校と地域社会の連携、協力の重要性が協調され、全国的に学社連携事業が展開されております。今こそ家庭、学校、地域が心一つにして、次の世代を担う子供の心の教育に力を注ぐべきと思います。当いわき市においても、学社連携には積極的に取り組んでおられますが、本市における学社連携事業の実施状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 学社連携・融合事業につきましては、モデル地区事業として学校1校と公民館1館が組む形で、平成12年度が3地区、平成13・14年度が6地区、平成15・16年度が9地区において実施し、その成果を実践事例集として取りまとめるとともに、学校教育及び社会教育関係者等を対象とした研修会等を開催するなど事業の推進を図ってまいりました。本年度からは、これらを踏まえ、市内の市立全小・中学校において本事業に取り組んでいるところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) では、地域住民の参加状況はどのようになっているのでしょうか。 ◎教育長(砂子田敦博君) 地域の方が参加した事例といたしましては、地域の農家での農業体験、地域の特産物を用いた地域の方による郷土料理、地区老人会との昔遊びや昔の暮らしの学習、地区の商店や事業所等での職業体験や物づくり、ダンスや和楽器、ちぎり絵、合唱などの公民館サークルとの共同学習等があり、個人、団体も含めまして多くの方々が参画しておるところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 今は、もはや全国的に学社連携より融合が必要だと言われている中で、いわき市としては、連携から融合への取り組みはどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 学社連携は学校教育と社会教育の協力関係であり、学社融合は学習の場や活動を一体として進め、互いに成果を共有できるものと考えております。これまでも継続的な事業展開やサークル等との共同学習を実施した際、児童・生徒にとって学びを支える体験となるだけではなく、地域の方々からも喜びや生きがいを感じるとの声をいただくなど、融合が図られた事例があります。学社融合は生涯学習の成果活用や地域教育力の活性化にもつながるとともに、市民と協働したまちづくりの一つでもあり、今後とも本事業の推進に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、見守り隊ボランティアの実施と対応についてでありますが、質問通告いたしましたが、昨日、石井議員、小野議員からも質問があり、その回答を了といたしまして割愛させていただきます。 ただ、要望といたしまして、市民の方々の見守り隊が5,300名参加なさっているということで、この参加協力に対して市民の方々に厚く御礼申し上げますとともに、問題とされている加害者も子供の時代があったはずです。いわきの教育行政において、見守り隊が必要となるような社会体制をつくらないような教育のあり方に全力を尽くしていただきたいと思います。また、やがて子供たちが成長したときに、社会に出れば身の回りには危険がいっぱいです。原則的には自分の身は自分で守らなければならないという厳しさも、あわせて御指導いただければありがたいと思いまして、御要望とさせていただきます。 この項目につきまして1点、協力団体には高齢者の姿も多く見られますけれども、万一ボランティアに参加しているときに転倒、あるいは事故に遭った場合のいわき市の対応はどのようになっているのでしょうか、お尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 見守り隊活動中の事故などにつきましては、いわき市市民公益活動災害補償保険、いわゆるボランティア保険が適用されるところであります。また、見守り隊活動につきましては、警察等の関係機関と連携を図り、活動の安全と充実に向け、研修会を計画しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次の項目、英語教育特区の成果と今後の方向性についてお尋ねいたします。 いわき市は平成17年度英語教育特区の認定を受け、国際的人間教育に着手、日本の文化・伝統も重んじ、美しい日本語を尊重しつつ読書にも重点を置き、世界的視点に立ったグローバルな物の見方のできる教育に着手されたということは、国際化社会に向けてとても重要なことだと思います。 私は、市内モデル校でほほ笑ましい取り組みに遭遇いたしました。校内英語ゾーンでは英語で固有名詞が表示され、たまたますれ違いました児童に、これは英語で何といいますかと質問したところ、その児童はちゃんと英語で答えてくれました。教育の浸透性と教育環境の配慮に敬服するとともに、子供の言葉の吸収力に感心いたしました。まさに鉄は熱いうちに打て、そこで、いわき市内モデル校6校の実施の状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 本市におきましては、小学校6校を英語教育特区モデル校に指定いたしまして、小学校英語科指導の指針及び年間指導計画に基づいて、各学校や児童の実態に合ったより具体的な指導計画を作成し、学級担任が中心となって外国語指導助手とのティーム・ティーチングによる授業を進めております。さらに、授業以外でも授業前の朝の時間等を活用するなど、子供たちが英語に触れる機会をできるだけ多く確保できるよう工夫して取り組んでおります。モデル校の授業の実施状況は、いずれの学校も児童が楽しく英語の学習に取り組んでおり、着実に事業が推進されており、文部科学省からも高い評価を得ているところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) 大分、成果を上げていらっしゃるという報告で大変うれしく思いますけれども、その成果をどのように検証なさっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 現在、本年度の成果と課題につきまして取りまとめるとともに、モデル校連携協議会において、小学校英語科学習指導の指針及び年間指導計画等についてさらに検討を深めているところでございます。今後、その内容等を次年度の取り組みに生かし、平成19年度から市内全小・中学校において英語教育が効果的に進められるよう準備を進めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 人は学習の進度とともに、その実力を知りたくなるものでございます。そして、さらなる挑戦へのバロメーターがテストだと思います。英語学習においては英語検定試験が一般的です。英語検定試験は年数回、市内学校を試験会場として行われております。しかし、海外に出ますと英検何級というのは余りなじみません。留学、あるいは外資系企業に入る場合にはTOEFL、TOEIC何点というふうになってまいります。当いわき市においては受験する機会が得られず、仙台、または東京に行かなければ受験ができません。当いわき市においても、国際的視野に立った教育を導入したのなら、国際社会に対応できる方策のTOEFL、TOEICの試験導入についての御所見はどのようなものかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 本市の小学校における英語科では、英語に興味・関心を持つこと、英語になれ親しむことなどをねらいとしており、聞く・話す活動を中心とした実践的な英語の学習を進めていく考えであります。公教育といたしまして、ただいま御指摘の専門的なTOEFL、あるいはTOEICを導入することについては、現時点では難しいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 国際的視野に立った英語教育特区の導入なら、百聞は一見にしかず、まずは外国の生活や言葉に直に触れることが大切だと存じます。そこで現在、いわき市では、中学生の英語弁論大会の優秀者を海外に派遣いたしておりますけれども、この枠を少し広げた部分で、英語教育特区導入の未来の展望として子供たちを海外派遣、ホームステイなどをさせる方策も必要ではないかと存じますけれども、御所見をお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) ただいま議員御指摘のとおり、国際的視野の育成には児童・生徒の海外派遣は極めて有効な方法の一つであります。現在、県の事業として行っている英語が使える人材育成ふくしまプラン事業におきまして、ただいま御指摘がありましたように海外派遣がございますが、いわき市からも2年間にわたって中学生を10名ずつ海外に派遣した経緯がございますので、さらなる充実を図られるよう県当局にも要望してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、学校評議員の実態と利活用についてお尋ねいたします。 地域住民が学校運営について助言する学校評議員制度が導入され、平成17年8月の時点で文部科学省の発表によりますと78.4%の導入率とのことでございますが、いわき市においての導入状況はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 平成13年度から、いわき市内においては、全小・中学校で学校評議員制度を実施したところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) 学校評議員は市内の全小・中学校で実施ということで、大変、これは公表すべきことと思います。では、その実態はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 今年度は全体で606名に御委嘱申し上げたところでございますが、その実態は年齢では40歳代が31.8%、50歳代が26.9%、60歳代で23.4%となっております。なお、役職関係につきましては、保護者が22.4%、自治会関係者が16.3%、同窓会関係者が15.5%となっております。なお、評議員経験年数でございますが、1年の経験者が34.4%、5年経験しておられる方が23.4%、2年が17.3%という状態でございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その学校評議員の活動は、どの程度学校の評議員としてかかわっていらっしゃるのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 学校評議員は、校長の求めに応じまして、学校にかかわる諸問題について意見を述べる役割を果たしております。昨年度、校長が学校評議員に対して、小学校で1校当たり平均8.7回、中学校におきまして9.8回意見を求めております。その内容につきましては、小・中学校とも教育活動にかかわることが最も多いところでございますが、次いで家庭や地域との連携にかかわること、PTA活動にかかわることなどとなっております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、その学校評議員の今後の活用の方向性なんですけれども、昨年12月の時点で福島県の三春小、それから京都など1都6県と2政令都市の一部では、学校運営協議会を設置して、保護者や地域住民が学校運営に直接参加するコミュニティースクールなど積極的な取り組みをしており、調査によりますと、将来設置を予定、または検討している学校が235校あると聞き及んでおります。いわき市の今後の評議員の活用の方向性についてどのようなお考えかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 平成13年度の設置から5年目を迎えたわけでございますが、この制度も定着したものととらえております。今後とも、学校評議員の率直な意見を伺い、当該学校の改善等に資するよう努め、児童・生徒にとって実りの多い学校生活となるよう、本制度のさらなる充実・発展に努めてまいりたいと考えておりますが、ただいまのコミュニティースクールにつきましては、御指摘の都市におきましても発足がまだ浅いところでございますし、文部科学省としての具体的な指導が走り出したばかりでございますので、よく状況を見ながら、先進県の事例等も注視してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 中教審は平成17年10月、自己評価の実施と公表を義務化するよう答申いたしました。福島県の公立学校の自己評価実施率は93.2%、外部評価の実施率は68%、外部評価の実施校の内訳は小学校が466校、中学校が203校というような発表をされております。いわき市においての評価の結果は、どのようなものであったのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 昨年度、いわき市の小・中学校におきまして、全校で教職員による自己評価を行っております。また、学校評議員や保護者による外部評価を行った学校は107校、実施率は90.7%でございます。そのうち、保護者や地域に評価結果を公表した割合は、自己評価が31校で26.3%、外部評価が79校で66.9%となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次の質問に移らせていただきます。 教職員の長期欠勤の状況についてであります。 今、児童・生徒を取り巻く社会環境、家庭環境は複雑で、さまざまな背景の中で児童・生徒の指導・教育に対し、教職員にははかり知れない苦労があると思います。教職員の不祥事のニュースを耳にすると、精神的ストレスの要因も原因の一つにあるのではないかと、つい老婆心ながら考えてしまいますが、市内教職員の長期欠勤者の実態はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 教職員の90日を超える病気休暇者は、本年2月1日現在で、身体的な疾病によるものが4名、精神的な疾病によるものが8名、計12名となっておるところであります。 ◆4番(森田ミエ子君) 身体的が4名、精神的が8名ということですけれども、定期健康診断などで身体的には十分な配慮はされていると思いますけれども、精神的側面においてはどうなのか、心身ともに健全な教育者であってこそ健全な教育ができるのだと思います。そこで、精神的側面のカウンセリングにはどのような対応策をとられているのかお尋ねいたします。 ◎教育長(砂子田敦博君) 福島県教育委員会による教職員の巡回相談並びに県教育センターでの来所・電話相談を初めとして、県公立学校共済組合でも教職員を対象とした教職員健康相談を行っておりまして、希望するものが常時カウンセリングを受けられるようになっておるところでございます。また、市総合教育センターにおきましてもカウンセラーが常駐しておりまして、相談を受けておるところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、生涯学習への取り組みについてお尋ねいたします。 いわき市は、輝くいわき、学びあい都市宣言をし、市内36の公民館を中心に、地域住民の学習意欲が非常に盛んに展開されております。今、高齢社会の治療か予防かと言われる中で、人が生きがいを持っていきいきと活動し、仲間づくり、地域の行事やボランティアに参加することは、高齢化予防にも寄与することだと思います。そこで、地域格差もあろうかと存じますが、公民館の部屋を確保するのが大変だということを聞きますけれども、現在、市内36の公民館の公民館主催事業と社会教育団体の利活用の割合はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市内の全公民館におきます平成16年度の利用人数によるそれぞれの割合は、公民館の主催及び共催事業が約11%、社会教育関係団体等の利用が約66%、国・県・市の利用が約15%、その他の団体の利用が約8%となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、公民館職員の配置についてお尋ねいたします。 市内には連絡調整館・基幹公民館・地区公民館があります。公民館は、土曜、日曜、祝日関係なく利用しております。対応する職員はどのような勤務実態になっているのか。特に、地区公民館においては館長1人、非常勤職員が1名、しかも3.5日の勤務ということで、非常に厳しいのではないかと見ておりますけれども、高齢社会に向かう中、公民館の利用度はますますふえるのではないかと存じます。現在の職員体制で住民ニーズにこたえられているのかどうか、現在の職員配置についてどのような見解をお持ちかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成17年度のそれぞれの公民館職員の配置につきましては、連絡調整館の中央公民館は職員14名、小名浜公民館8名、植田公民館7名、常磐公民館5名、内郷公民館4名、四倉公民館3名の体制となっており、連絡調整館6館を除く基幹公民館7館と、地区公民館のうち中央台公民館と泉公民館は職員2名体制で、その他の地区公民館は職員1名と非常勤公民館主事1名の配置となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、公民館の夜間・休日の利用方法について、管理体制についてお尋ねいたします。 最近、機械の管理になりまして、公民館の休日、夜間に利用する場合には事前にカードをいただいて、そして借りたりしなければならないという状況で、何回かの手間がかかるんだというような市民のお声を聞きます。そのようなことで、現在のすべてが万事とはまいりませんでしょうけれども、夜間・休日利用者に不便を強いてはいないのか、夜間の管理体制についてお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 公民館の夜間の管理体制につきましては、市立公民館36館のうち、常直の管理人を置く公民館が20館で、機械警備の公民館が16館であり、先ほどおただしのように事前に利用申し込みをしていただいてやっているのが実態でございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、公民館審議会委員についてお尋ねいたします。 社会教育法に基づき公民館運営審議会委員が委嘱されておりますが、委員の名誉職的、マンネリ化はないのか。最近、市民の方から、長くやっている方もいらっしゃるんだけれどもというお声を聞くんですけれども、時代の進展とともに社会的ニーズは変化しております。それに対応する検討、あるいは審議するにふさわしい構成メンバーで行われているのかどうか、その状況をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 公民館運営審議会は13の基幹公民館すべてに設置しており、合計で85名の方が委員となっております。委員の年齢は、平成17年4月現在で28歳から82歳までであり、60歳代の方が一番多く、約3割を占めております。また、経験年数では、今年度初めての方が39名、2年から5年の方が19名で、合わせて約7割を占め、6年から10年未満の方が27名で約3割となっております。 こうしたことから、この委員には随時新しい方に入っていただいておりまして、この委員は学校教育関係者、あるいは社会教育関係者、家庭教育関係者、そして学識経験者の方々などで構成されているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、公民館事業への専門的有識者の利活用についてお尋ねいたします。 社会教育主事有資格者の活用状況についてでありますが、定期的に受講者の確保、有資格者の適材適所の有効活用がされているのかどうか、方策についてお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 社会教育主事の資格を持つ市の職員は現在24名おります。そのうち13名が教育委員会に配属され、その13名のうち3名が公民館配置となっております。また、新たに社会教育主事の資格取得を希望する職員につきましては、資格取得講習会へ派遣をしているような状況でございます。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、それでは社会教育指導員の登用状況についてお尋ねいたします。 これも社会教育法に基づきまして指導員の設置が行われておりますけれども、社会教育指導員の職域も非常に広範囲になっております。学校教育、社会教育と総合的な指導助言が要求されるかと存じますけれども、登用に当たりましては、現在いわき市は6名と聞いておりますけれども、公平・公正な登用がされているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 平成17年度の社会教育指導員は学校長を経験した方で構成されており、うち2名は社会教育主事の資格も有しており、公民館における学級、講座等の指導や、学社連携・融合事業の推進に努めており、公平・公正な立場から、今後とも採用に努めてまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 次に、市民講師活用事業についてお尋ねいたします。 いわき市も市民講師活用事業を展開し、市民の皆さんが登録して講師として活躍なさっておりますけれども、現在の登録実態はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市民講師の登録者数は、平成15年度当初が261名、平成16年度当初が379名、平成17年度当初が293名となっております。また、登録分野としましては、情報処理や体操・ダンス・体力づくり、それから茶道・華道、美術などが多く、お一人で複数の分野を担当される方もおりますことから、平成17年度では61の指導分野に延べ609名の登録となっております。 ◆4番(森田ミエ子君) では、609名の方が稼動しているということで、次の稼動状況についてはそこで把握いたしましたので結構でございます。 それから、登録者につきましては、常に自己研さんに励んでおられると思いますけれども、市としては、こういった登録されている方にどのような研修機会を与えているのかお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 市民講師として生涯学習ガイドブックに登録している方、あるいは新たに登録を希望する方を対象に、生涯学習プラザにおきまして市民講師養成講座を開催し、講師としての実践や心構え、生涯学習の現状、学社連携・融合事業とのかかわり等をテーマとした研修を実施しているところでございます。 ◆4番(森田ミエ子君) では、今後の公民館の運営についてお尋ねいたします。 今、いわき市も行財政改革の中で職員の削減に努力しておりますが、生涯学習の分野で社会経験、多方面にわたり知識の豊富な民間人もいらっしゃいます。地区公民館において、郡山等では数年前から嘱託公民館長を採用して成果を上げているということを伺っておりますけれども、いわき市におきましても、地区公民館においては嘱託公民館長や職員の導入を図ってもよろしいのではないかと存じますけれども、御所見をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 公民館は、社会教育機関であることはもちろん、地域との連携をさらに深め、総合的な地域づくりの拠点となることが求められておるところでございます。現在、運営体制や機能及び事業メニューなど公民館のあり方について検討しておるところであり、地区公民館への嘱託公民館長等の導入につきましても、この中で検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) いわき市でも、定年になられた方で社会教育にすぐれた方がたくさんいらっしゃいます。ぜひ、こういった方々、人生経験豊富な方を公民館の職員として再任用で活用していただければと思っておりまして、これは要望とさせていただきます。 次に、2007年問題に対応した生涯学習の取り組みについてであります。 いわゆる団塊の世代が定年を迎える2007年問題ですけれども、人生のライフスタイルのあり方について議論され、団塊の世代においては家庭よりも会社優先、経済成長の先頭に立ち、今、第3の人生に突入しようとしております。今こそ自分らしい人生を歩めるチャンス、第3の人生を夕映えにするか夕やみにするか、それは個々人の問題としても、行政は、団塊の世代をターゲットとした生涯学習の場づくり、学習機会の提供の方策を考えるべきではないかと存じますけれども、そういった意味で、定年を迎えた方が、今、いわき市内の大学に聴講生として何名かの方が通っていらっしゃるということを伺っておりますけれども、今後、行政と大学は提携をしつつ、大学に社会人入学枠、いわゆるリカレント教育の方策をとるべきではないかと存じますけれども御所見をお尋ねいたします。 ◎教育部長(山田満君) 一般的には2007年問題と言われておりますが、いわゆる団塊の世代の方たちが大量に定年を迎えますことは社会的な課題の一つであり、いわき市生涯学習推進本部会議におきましても、次期生涯学習推進計画の中で、考慮すべき課題の一つということで検討しているところであります。 このような中、市内大学における社会人入学枠の設定は、多様な学習機会の一つとして、団塊の世代の方を初め、市民の生涯学習の推進にもつながることでありますが、何よりも実施主体であります大学の方針となりますことから、今後の協議、検討課題とさせていただきたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) いわき市には、童門冬二氏を学長としてヒューマンカレッジがございます。ぜひ、このリカレント教育の導入と連携させながらヒューマンカレッジ、大分市民の方々もこの講座に多くの方々が参加し学んでいると聞き及んでおります。中には、もう少しレベルアップ、グレードアップしてはという声も聞かれます。そのようなことで、ぜひ市民の学習意欲にこたえるべき方策を考えていただけたらというふうな、これも要望といたしまして、ヒューマンカレッジの今後のあり方について御検討いただければという要望でございます。よろしくお願いいたします。 次に、人権相談に対するいわき市の対応についてお伺いいたします。 一人一人が安心して、自分らしく暮らせる安心・安全を基本理念とするという今議会の市長提案要旨説明を拝聴し、市長の市政に対する熱い情熱を感じ、以下質問させていただきます。 相談体制と被害者保護についてであります。 市内相談機関の連携についてであります。 本市には、国の機関の人権相談、県の機関の児童相談、市サイドの行政相談、家庭児童相談、女性相談、消費生活相談、社会福祉センターにも相談機関がございます。多岐にわたった相談機関が設置され、それぞれがそれぞれの場で業務を行っております。相談者の相談はあらゆる内容を含んでおり、役所の縦割りのような割り切った相談とはまいりません。人によっては、わらをもつかむ思いで市内の相談機関を回ります。それぞれの助言に錯綜することもあります。本市には児童虐待ネットワークがありますが、児童も夫婦間暴力も高齢者虐待も、もろもろの相談内容の原因の根は一つ、家庭にあります。 そこで、広域であるがゆえに、市民をターゲットとするあらゆる相談機関の連携が必要ではないかと存じます。したがって、現在、国・県・市内の相談機関の連携はどのようになっているのかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 人権問題につきましては、年齢や性別にかかわらない幅広い問題であることから、さまざまな関係機関との連携が重要と認識しております。そういうことから、児童虐待については、ただいま御指摘ありましたとおりのネットワーク、高齢者虐待についても同じようなネットワークを立ち上げております。DVを初めとする女性相談につきましては、現在、警察や裁判所などの関係機関と連携を図っているところでございまして、また障がい者虐待につきましても今後検討してまいりたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 現在、本市では、相談業務は電話相談、来所相談体制をとっております。専門相談員は非常勤職員です。週3日半の勤務です。相談員が不在の場合には、電話、来所にしても市職員が対応することになっておりますが、多くは専門的対応に応じ切れずに相談員の電話が終わる、あるいはいろいろな面で長時間待たされることもございます。時代背景として相談件数は増加の一途にありますが、財政厳しい中、職員の削減に努力している昨今ではありますが、削減してよい部分と、してはならない部分がございます。そういう意味で、職員の配置について、電話相談、来所相談にどのようなお考えかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 御指摘のとおり、相談が重なった場合の対応は、職場内で協力をし合って、ほかの職員が相談に当たるなどして組織全体として対応してきたところでございます。しかし、限られた人員の中で相談体制の充実を図るためには、担当職員の資質の向上を図ることが重要と考えておりまして、そういったことに力を尽くしていきたいと考えております。 ◆4番(森田ミエ子君) 最後に、いわき市への要望ですけれども、やはり1カ所で相談業務のできる総合相談窓口、あるいは総合相談センターの設置が必要かと存じます。 以上をもちまして、よりよい社会の体制を次の世代に受け継ぐことが……。 ○副議長(鈴木利之君) ここで、午後1時まで休憩いたします。                午前11時51分 休憩                  ---------                午後1時00分 開議 △佐藤和良君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。12番佐藤和良君。              〔12番佐藤和良君第二演壇に登壇〕 ◆12番(佐藤和良君) (拍手)12番市民クラブの佐藤和良です。ただいまより一般質問を行います。 第1点は、介護保険法改正に伴う市民サービスについてであります。 介護保険制度は、高齢者の尊厳と自己決定を尊重し、深刻な家族介護の実態を解消して、社会全体で高齢者の自立を支援することがその目的であります。本市の介護保険は、制度開始以来6年で、保険の給付金が90億円から179億円と約1.9倍になり、要介護認定者は7,048人から1万2,970人と1.8倍、サービス利用者が4,682人から1万459人と2.3倍以上という急速な拡大をしてきました。4月から介護保険制度が大きく変わります。私は、昨年2月議会で、昨年10月からの施設入居者の食費・居住費の自己負担や、18年度からの介護予防重視型システムへの転換が、果たして市民サービスの質の向上に結果するのかと指摘したところでございます。 第1点目は、第1号被保険者の介護保険料見直しについてです。 介護保険は保険料と公費それぞれ50%の負担で、65歳以上の第1号被保険者の保険料は、3年ごとに次の3年間の給付費を見込んで算定し、市民税の課税状況や所得に応じ市が賦課・徴収しています。今回の算定額4,276円は、第2期の2,761円から54.9%のアップです。第2期で給付が大幅に増加し、32億円も見込み違いをしたといいます。市民からはアップ率が高い、なぜという疑問が出されています。そこで、第1号被保険者の介護保険料見直しに当たって、平成15年から17年の第2期計画策定時の見通しに甘さや誤りはなかったかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 第2期計画策定時の保険料につきましては、基本的には、今回の保険料改定と同様の方法により3年間の介護保険給付費を見込みましたが、その上で、介護保険準備基金から約3億3,000万円を取り崩すこととし設定したものであります。当時の推計においても、要介護認定者数は伸びるものとして見込んでおりましたが、実際には、その数は見込みよりも3カ年で約1,000人程度多く出現するなど、予想を超えて大きな伸びとなりました。 さらには、サービスを供給する事業者も、訪問介護サービス事業所で見ますと、平成14年10月時点で44カ所であったものが、平成17年10月現在で117カ所と大幅増となり、サービスの供給体制が充実し、給付費の拡大につながりました。 以上のようなことから、結果として計画値を大きく上回って増加したものと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) サービスの利用が非常にふえたと、事業者数も格段にふえたということで、そういう意味では、第2期の計画策定時の見通しに甘さがあったんだろうと理解いたします。やはり事前に、サービスの利用実績なり給付の実態を細やかに広報することがなぜできなかったのか。また値上げを提言した市介護保険運営協議会は、これまでどんな議論を行ってきたのか。そしてまた、肝心のサービスはこれからどうなっていくのか。こういった市民の疑問に、介護保険の運営主体である市は、もっと市民・利用者に対して説明責任を果たしていくべきではないかと思うわけであります。例えば、横浜市では、昨年11月から本年1月まで3カ月間にわたりまして保険料アップ額も示して、その上で介護保険事業計画素案のパブリックコメントを実施しております。 そこで伺います。本市の介護保険運営協議会の委員は、市民・利用者代表は15名中2人です。もっと市民・利用者代表をふやし、市民・利用者に保険運営と財政実態について情報公開を進め、保険料の改定に当たってはパブリックコメントを実施して市民の意見を聞くべきではないでしょうか、見解を伺います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 基本的に、情報公開を広めるとかパブリックコメントを実施するということはそのとおりだと思います。ただ、その保険料の決定は市の判断だけではできないという事情もあることを御理解いただきたいと思います。保険料を算定する場合には、介護サービスの各単価に利用見込者数を掛けて保険給付費を出して、その保険給付費を被保険者数で割るということで出していくわけですけれども、そのもともと出てくる介護サービスの報酬単価、ここの部分について、国から通知が来たのが1月26日ということで、そこから各市町村は計算が始まったわけです。そういうことから、今回の議案の提案も、別冊として事前説明の対象から外してやらさせていただいているわけです。 ただ、御指摘がありましたように、保険料はともかくとして、改定になるということ、それから増額の見込みがあるということ、それから過去3カ年はこうなっているというふうなこと、そういったことについての広報については御指摘のとおりですので、御趣旨を踏まえまして十分検討してまいりたいと思います。 ◆12番(佐藤和良君) 額の決定、算出はわかるんですけれども、やはり、今、部長もお認めになったように、一方ではパブリックコメントまで実施しているところもあるわけですから、そういった事例を学びつつ、やはり謙虚に市民・利用者に実態を明らかにして、こういう形になっているんだということを公開して、意見を吸い上げていくということはやはり大事だと思うんです。 次に、平成17年度税制改正に伴う高齢者の非課税限度額廃止により、非課税から課税世帯に移行する高齢者には激変緩和措置による保険料率の特例が適用されますが、高齢者の負担能力を超えることはないかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 高齢者の負担能力につきましては、各個人ごとの御事情もあり、一概に申し上げることは困難でありますが、議員御指摘のとおり、今回の介護保険料の改定におきましては、税制改正に伴い、市民税非課税世帯の方が課税世帯に移行することによる激変緩和措置を実施するほか、低所得の方に対して負担を緩和するため、現行よりもきめ細かな保険料の段階を新たに設定することとしました。また、生活が困窮している方に対する保険料の減免については、これまで同様、実施することとしております。 ◆12番(佐藤和良君) 6段階に刻み方も変わるということでありますけれども、部長がおっしゃるように、低所得者層の減免、あるいは今回影響が大きいと思われます中高所得者に配慮した、やはり安心できるサービス利用体制をつくっていくということが大事だと思いますので、その辺を要望しながら次にまいりたいと思います。 2点目は、地域包括支援センターについてであります。 4月から、市内7カ所に地域包括支援センターが市の直営で設置され、市内25カ所の在宅介護支援センターは廃止となります。地域密着型等の新サービスへの移行を前に、なかなかケアマネジャーが見つからず困ったという声も聞かれます。在宅介護支援センターの地域包括支援センターへの業務引き継ぎや新サービスの提供体制などの移行は万全なものかどうかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 在宅介護支援センターからの業務引き継ぎにつきましては、各在宅介護支援センター管理者や担当職員との打ち合わせにより、センターが担当してきた地区の実態や高齢者の状況等についての確認を行っており、万全を期しているところであります。 また、地域包括支援センターの設置に伴う専門職等の人員配置に関しましては、その業務量を勘案し、必要人員の算出を行ったところですが、現行業務の見直しにより、可能な限り市職員を配置することとし、市職員以外のスタッフについては嘱託職員を雇用することにより体制を整え、サービス提供に支障がないよう対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) やはりこれからの地域支援とサービスをやっぱりコントロールしていくという意味では、地域包括支援センターは大きな役割を果たすと思うんですね。それで当面、直営として始まったということは、私は大変いい形ではないかとは思うんですけれども、やはり利用する市民の方たち、あるいは利用者の方が、やっぱりいろいろな不安や不満を抱えていることについての丁寧な広報や、あるいは説明会などをやっぱり実施していくべきではないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターが、地域における高齢者サービスを基幹的に担っていく、そういう以上は、やはり使っていただく市民の方々、高齢者の方も含めてですけれども、丁寧に対応していくことが何より必要だと思っております。御趣旨に沿って対応したいと予定しております。 ◆12番(佐藤和良君) ひとつその点は、くれぐれもよろしくお願いしたいと思います。 次に、平成19年度以降の地域包括支援センターの運営についてでありますけれども、これについては、市の直営からNPO法人等に移行するという案も聞いておりますけれども、検討状況はどのようなものかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 地域包括支援センターは市町村を責任主体として設置することとされており、設置の基本として、公正・中立性の確保が最も重要であることから、平成18年度においては市直営で運営することとしたところであります。 平成19年度以降につきましては、公正・中立な運営が担保できるNPO法人などの設立準備が整えば、委託する方向で検討することとしており、平成18年度における運営状況などを勘案しながら対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) これは、保険料の算定にも及んでくるわけですけれども、過ぐる1期、2期の間にやはり利用が広がった。それについて、ある程度見通しも誤ってしまったという問題で、さきの部長の同僚議員への答弁の中でも、事業者がやはり自分本位でサービス量を決めるとか、あるいは利用者ではなくて家族がサービスを決めるとか、そういうことも含めたコントロールといいますか、保険者である市のコントロールというのが特に大事になってくると思うんですね。運営主体の市がどうなのかということが今後問われてくると思うんですけれども、その辺についてはどうでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 介護保険のサービスで、大多数の事業者の皆さんは利用者本位のサービスに真摯に取り組んでいただいております。ただ一部で、利用なさっている方や関係者の方からの苦情なんかで問題のあるケースも把握できたということでありまして、そういった場合でも、これまでは事業者を指導したり立入調査をしたりする権限が保険者の市町村になかったため、十分な対応が難しいという面がありました。今後は、そういった制度的な面も含めて法改正がなされましたので、指導・調査の権限が保険者である市町村に来ましたので、しっかりと対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) センターの中立・公平性を保つためにも、センター運営協議会が設置されるということでございますけれども、この運営協議会がある程度やっぱりコントロール機能を発揮するということの担保としては、やはり書類上で管理していくということではなくて、具体的にセンターの日常業務を把握しているかどうかということが大事だと思うんですね。そういったことも踏まえて、運営協議会のあり方、透明性を確保しながら、市民参加を進めながら進めていっていただきたいということを要望しまして、次に進みたいと思います。 大きな第2点は、防災対策の強化についてであります。 1点目は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進地域の指定についてです。中央防災会議は、太平洋で発生が予想される大地震に備え、自治体に津波対策を促す日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策大綱を決定しまして、防災対策を推進する必要がある130市町村を指定したわけでございます。防災推進地域は震度6弱以上が見込まれる地域、津波高3メートル以上で、これらの水位よりも高い海岸堤防がない地域ということで、本市もこの指定になったわけでございます。昨年の部長答弁では、津波避難計画等を含めて、地域住民参加のもとに計画づくりに取り組むということでございましたけれども、対策推進地域の指定を受けて、対策大綱に基づく本市の対応策はどうかお尋ねしたいと思います。 ◎総務部長(猪狩正利君) いわき市は、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づきまして、去る2月20日、国から対策推進地域に指定されたところであります。市といたしましては、今後は法に基づきまして、市の地域防災計画に当該地震による津波からの避難に関する事項を定めるとともに、国が定めた大綱に基づきまして、津波ハザードマップの作成、さらには住民の避難等に係る具体的な対策を推進していく考えであります。なお、津波対策におきましては、住民の迅速かつ的確な避難が最も重要でありますので、避難経路等の選定に当たりましては、住民参加の手法を取り入れてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 2点目は、原子力安全協定についてであります。 過日、茨城県東海村を視察いたしまして、原子力防災体制について原子力対策課からお話を伺ってまいりました。東海村は、原子力安全協定に基づき、原子力施設への平常時立入調査と原子力災害対策特別措置法に基づく立入検査を実施していますが、これは隣接自治体も一緒に実施していると聞きました。茨城県では、安全協定上、新増設等の事前了解と運転停止措置以外は、立入調査・定期的な報告と臨時的な報告・事故の連絡など、所在地自治体と隣接自治体ともに同等の協定内容となっており、市民の安全確保上、本市でも十分参考にすべき事項ではないかと思われます。 確かに、東海村は所在自治体でありまして、防災対策の重点地域を示すEPZに入ります。本市は、東京電力の福島原子力発電所のEPZには入っておりませんけれども、隣接自治体でもありますし、また今回条例案が出ております国民保護法では、武力攻撃原子力災害が想定されておるところでございます。本市にとっては緊急の原子力災害に、より現実的で実効性のある対応がとれることが望ましいと考える次第でございます。昨年10月議会の部長答弁は、県などと協議しながら検討してみたいということでございました。平時と事故時の連絡通報や立入検査を柱にした、県・事業者との安全協定の検討状況はどうかお尋ねします。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 原子力安全協定につきましては、いわゆるEPZ、原子力防災を重点的に充実すべき地域の範囲、これの拡大の可能性でありますとか連絡通報体制のあり方などにつきまして、ただいま県、あるいは事業者と意見交換、話し合いを行っているのが現状でございます。 ◆12番(佐藤和良君) そういうことですから、また継続してやっていただきたいということをさらに要望して、3点目に移りたいと思います。 3点目は、被曝医療についてであります。 福島県の初期被ばく医療機関指定要請について、本市は施設整備を課題としているが、財源としては、16年度までに約6億6,300万円を一般会計で受け入れてきた原子力発電施設等周辺地域交付金や市町村電源立地特別対策費県補助金などを、計画的に活用してはどうかと考えますけれども、その辺についてどのように考えるか御所見を伺いたいと思います。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院は、浜通り地域唯一の三次の救急医療を担う救命救急センターを有しております。既に初期被ばく医療機関として指定されております他の医療機関施設とは異なりまして、常に重篤な患者さんへの対応が求められておりますことから、初期被ばく医療機関として放射能汚染の可能性のある被曝患者さんを受け入れるためには、救急、あるいは一般の患者対応などに影響を及ぼさないよう、新たな施設や設備が必要であると認識しております。 また、その設備等の整備に当たりましては、議員もお触れになりましたが、何らかの財政需要を伴うことにもなりますので、その財源の確保策が課題となっております。したがいまして、議員おただしの電源関係の交付金等を含む、いわゆる特定財源の確保などにつきまして、鋭意、関係機関との協議を進めてまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) ひとつ調整のほどよろしくお願いしたいと思います。 さらに今、部長の答弁にもありましたように、共立病院は地域災害医療センター指定でありますし、三次救急センター併設ということになっております。さらに、浜通りの中核病院として、各地の急性期患者も受け入れているわけでございます。被曝医療というのは広域的な問題でございますから、そういった広域性も踏まえて、例えば一部事務組合の手法も取り入れ、応分の財政負担を求めながら被曝医療体制を整備してはどうかと考えますけれどもいかがでしょうか。 ◎市立病院部長(鈴木正一君) 総合磐城共立病院における初期被曝医療体制の整備は、県の緊急被ばく医療活動マニュアルに基づく指定を受けまして、本市の責任において、初期被ばく医療機関に係る業務を市立病院として担うこととなりますので、おただしにありましたような形、すなわち地方自治法に基づくところの普通地方公共団体及び特別区の事務等の一部を共同で処理するという特別地方公共団体としての一部事務組合の手法を導入することは、いわば制度的にはなじまないものと受けとめております。 なお、近隣市町村からの応分の財政負担を求めてはどうかという点につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、施設整備の特定財源の確保、交付金等の兼ね合いもございますことから、今後、関係方面との協議をさらに重ねてまいりたいと思います。 ◆12番(佐藤和良君) ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それで、この被曝医療についてですが、過日、我が国の放射線による人体の障害に関する診断や治療の中核的研究機関であります、千葉県の独立行政法人放射線医学総合研究所の緊急被ばく医療研究センターを視察してまいりました。緊急被ばく医療研究センターは、国の防災基本計画の原子力災害の一環として、平常時から緊急時医療体制の充実を図るための緊急被ばく医療ネットワークをつくっておりまして、その中で情報交換、研究協力、人的交流を進めております。 地方自治体との連携では、自治体の要請に応じて、講師派遣、あるいは人材育成事業として、原子力災害医療にかかわる医師や看護師、救急隊等を対象とした救護セミナーを開催したり、あるいは自治体の病院や医師、消防士なども受け入れるということをやっております。こうした放医研の緊急被ばく医療緊急センターとのネットワークということも非常に大きな課題になってくるのではないかと思っております。民間の医療機関との被曝医療情報ネットワークの構築というのは、医師会の方からも提言されているところでございますが、市の対応はどうかお尋ねしたいと思います。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 被曝医療につきましては、県が平成16年4月に改定した福島県緊急被ばく医療活動マニュアルの中で、緊急被ばく医療体制により、医師会や民間病院を含む中核病院等の役割が示されており、あわせて本市の関係機関も含めて実地に訓練を実施するなどの連携を深めているところであります。被ばく医療ネットワークの構築につきましては、ただいまお話にありました緊急被ばく医療研究センター等の話も含めまして、今後、調査・研究してまいりたいと思います。 ◆12番(佐藤和良君) ひとつ調査・研究をしていただきたいと思います。 次に、4点目は、昨年の2月議会でもおただし申し上げました災害時要援護者の避難支援についてであります。 これについては、ガイドラインが国の方からも出ておりまして、かなり全国的に進んできております。先ほど触れました国民保護法、国民保護計画の中にも、このことは大分大きなテーマになって入ってきております。そういう意味も含めまして、災害時の情報伝達、要援護者情報の共有、避難支援計画の策定など、避難支援ガイドラインに関する本市の具体的取り組み状況はどうかお尋ねいたします。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 国の災害時要援護者の避難支援ガイドラインは、地方自治体の避難支援プラン策定のための手引きとして平成17年3月に作成されたものですが、本市においては、災害時に何らかの援助を希望し、かつ災害対策関係部署への情報提供に同意された方を災害時要援護者として台帳に登録し、あらかじめ地域住民を初め、関係機関へ周知を図っておくことにより、援助を受けられる仕組みづくりを検討しているところでございます。 なお、県においても、市町村の避難支援プランの策定について、手引書の作成を予定していることから、今後、国のガイドラインと合わせ、県の手引書も参考としながら、関係課と協議の上、適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆12番(佐藤和良君) 適切にということでありますけれども、今後の進捗について、部内の体制はどんなふうに考えておるでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 実は、今年度、庁内の災害関係部局が集まりまして、この手引きといいますか、名簿づくりといいますか、登録体制づくりについて打ち合わせを行ったところでございます。部内におきましては、中心となっていますのが障がい福祉課と長寿介護課でございます。高齢者と障がい者というところで、その2課が中心になって、19年度には実際にこれ取りかかってみようということで、今準備を進めているところでございます。 ◆12番(佐藤和良君) ひとつ具体的に進めていただきたいと思います。 最後に市長に伺いますが、市民の安全・安心が櫛田市政のポイントだと思います。消防や警察と同様にコスト負担が必要なのが政策医療だと考えます。先ほどからお話ししました緊急被曝医療体制について、医師会からもそういう要請がございますので、市長においても積極的に取り組んでいただければと思いますが、御所見を伺えればと思います。 ◎市長(櫛田一男君) お話のとおりであります。すべての点で安全・安心を担保しなければいけない時代に差しかかってきております。さらに、被曝ということになりますと、議員おただしの原子力発電所による被曝、あるいは東海村のJCOのああいったヒューマンエラーによる被曝がございますけれども、最近では高度医療による被曝の問題も取りざたされております。それらを総合して、これからに備えるためには、やはり備えあれば憂いなしという言葉のとおり、各般にわたりトータルで検討してまいりたいと考えております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後2時まで休憩いたします。               午後1時31分 休憩                  ---------               午後2時00分 開議 △木田孝司君質問
    ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番木田孝司君。              〔13番木田孝司君第二演壇に登壇〕 ◆13番(木田孝司君) (拍手)きょうは3月3日大安吉日、平成18年も残すところあと303日となりました。この日付を重ね並べますと耳と読めることから、1956年、日本耳鼻咽喉科学会がきょうを耳の日と定めたそうであります。この耳、人の話に耳を傾ける、市民の皆様の声にならない声を聞く、そういった意味では昨日の一般質問の中で市長の御答弁にもありました。市民の声を聞くことは、市長の最大の仕事の一つであると。我々、議員にとっても同様であります。そういった意味で、我々議員に課せられた重要な使命を果たすため、みずからの立場と職責に思いをいたし、改めてその原点とするところ、市民の福祉の向上と安寧のため、この場でその議論を闘わせることができる。まさに、そのためには最良の日ではないかと考えるところであります。 さて、今定例会の代表質問でも、トップバッターとして登壇しました我が志政会幹事長の矢吹貢一議員の質疑の中で、志政会からの平成18年度予算に対する要望を執行部が真摯に受けとめ、今定例会に提案された予算案の至るところに反映されたことに関し、一定の評価が示されたところでありますが、特に、中山間地域の救急医療の充実を図るため、川前地区に救急車を配備するための予算を計上された点について、私自身、市議会議員としての立場を求めるに当たり、それをライフワークの一つとして掲げ、さらに志政会の前身であります明世会当時より、その当該案件について、会派としての先兵を任じられ、また平成12年12月定例会において初登壇の機会を得たときより、その回を重ねて当局にお願いしてきた立場として、そしてさらには、川前地区住民のいわき市誕生以来の悲願でありました、急病に対する不安と自分たちの願いが形にならない、そんな猜疑心にさいなまれる日々を送ってくることを余儀なくされていた、まさに声にならない声を形にして届けてくださった櫛田市長を中心とする執行部関係職員各位の御配慮と御尽力に、川前地区に親戚・地縁の者、そして友人・知人を多く持つ市民の1人として、心より感謝申し上げたいと存じます。 さらには、新年度の新規事業の一つとして実施されるAEDの一挙36台配備という件につきましても、まさに市民の安全と安心をというよりは、市民の命の重さに思いをいたし、その1点に対して、厳しい財政状況の中での予算配分を図っていただきましたこと、市民のだれもが市長の意図するところを十分に理解したものと思慮するところですが、惜しむらくは、この議場において私からもたびたび御提案申し上げておりました、単に教育施設としての位置づけだけでなく、地域のコミュニティー機能をもあわせ持つ公立学校へも同時に配置されるものと思っておりましたけれども、それが果たされなかったということは、すなわち、さらにその要請を重ね、多くの市民に向けてもその周知をせよと私に与えられた新たな宿題であるという印象を持つところでありまして、そんな思いを抱きながら、市民の皆様が、あまねく安心・安全な暮らしをこのいわき市で享受できるための方策を探る上での課題について、以下質問してまいります。 時折しも、春の火災予防運動実施中でありますので、質問の第1は火災予防にかかわる本市の対応について伺ってまいりたいと存じます。 自分が知らないだけなのかと思いきや周囲も知らない、わかっていなかったということはよくある話でありまして、実は先日、町で目にしたこんな表示、皆さん御覧になったことが果たしてあるでしょうか。拡大の過程で若干色合いがあせてしまったというか、もともとは白地に大きなビルの図表が描かれ、その周りを濃紺の大きな丸が囲むという防火優良認定証というマークでございます。私自身の理解を深めることももちろんでありますけれども、市民の皆様にも広く理解していただく、またそのための方策を市当局に求めていく、そんなことを願いながら質問させていただきたいと思います。 多少、時間をさかのぼることになりますけれども、平成15年10月に、建物火災の発生を未然に防ぎ、特に大規模な建物の火災における人的被害を最小限に抑える上で有効となる、当該施設に対する点検及び報告方法に関する制度が新設されることとなったわけですけれども、その経緯についてまずはお聞かせください。 ◎消防長(木村清君) 防火対象物定期点検報告制度の新設に係る経緯につきましては、平成13年9月の東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビル火災を契機として、多数の人が出入りする百貨店、ホテルなどの一定の防火対象物において、実効性のある防火管理を行うため、消防法が改正されまして、防火対象物の定期点検及び報告を義務づける制度が、平成15年10月に導入されたものでございます。 ◆13番(木田孝司君) では、その制度、主な変更点は、具体的にはどのような内容となっていたんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 定期点検報告制度につきましては、一定の防火対象物の管理権原者が、防火管理の高度な知識を持つ点検資格者に定期的に当該防火対象物の点検を実施させ、その結果を消防機関に報告するものでございます。 ◆13番(木田孝司君) この制度が改正されることでもって、改善された点というのはどういうところなんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 改善されました点は、防火管理の状況について定期的に点検し、報告することによりまして、一定の防火対象物における防火管理の強化が図られたことでございます。 ◆13番(木田孝司君) 施設管理者の義務が明確に示されたということでありますけれども、その施設管理者には、改めてどういったことが求められることになったんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 改めて求められている点につきましては、一定の防火対象物の管理権原者に対しまして、実効性のある防火管理の遂行が求められていることであります。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、その点検報告制度の新設によって、権原という専門用語になるということですけれども、その権原を有する事業者の責任が一層重くなったという理解でよろしいんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 権原を有する事業者の責任につきましては、新たな防火対象物定期点検報告制度に基づき、総合的な防火管理の状況について定期点検が義務づけられたことにより、新たな責任を負うことになったものであります。 ◆13番(木田孝司君) ただいま責任というお言葉がありました。それを遵守することが当然前提でありましょうけれども、誠実に履行されないことがあるのもまた世の常であります。そういうところで、それを抑止する効果が期待できるところの罰則等の規定というのは設けられたんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 消防法におきましては、消防用設備等の定期点検報告違反に対して、既に設けられている罰則規定を、新たな防火対象物定期点検報告についても適用することとしたものでございます。 ◆13番(木田孝司君) その罰則の内容は具体的にはどんなものでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 罰則につきましては、点検報告をしなかった者、また虚偽の報告をした者に対しまして30万円以下の罰金、または拘留が科されることとなっております。 ◆13番(木田孝司君) そうした重い罰則規定のある中で始まったこの制度、そして私たち市民の中でも一般的に広く知られているところの丸適マーク、きょうはその丸適マークを最後に見ていただこうと思って持ってまいりましたが、こちら、正式な略称というのがあるそうなんですが、正式には丸が抜けて適マークというんだそうであります。この適マーク、これまで至るところで私たち市民が目にしていたところなんですけれども、どんな要件のもと、これが交付されていたのか改めてお示しいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 適マークの交付につきましては、消防機関が防火対象物の管理権原者から提出された消防計画等の各種届出を審査し、立入検査を実施して、その安全性が確認された場合において交付してきたものでございます。 ◆13番(木田孝司君) まさに、安全性を確認する一つの手段だったということでありましょうけれども、火災予防を推進する上では、その制度上どういう位置づけだったんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 適マークにつきましては、防火安全のシンボルマークとして位置づけられ、国民の皆様に対し、施設を安心して利用することができる表示として運用されてまいりました。 ◆13番(木田孝司君) ちなみにこの適マーク、本市において交付対象となっていた施設というのは何件ほどございましたでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 適マークの交付対象施設の件数につきましては、適マークが既に廃止された平成15年9月30日現在でありますけれども、交付対象事業所が157件となっております。 ◆13番(木田孝司君) その適マーク、本年9月30日をもって旧来のマークが暫定的に掲示可能であった期間を終了するわけですが、それにかわる表示というのはどういうものなんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 適マークにかわる制度につきましては、防火対象物定期点検報告制度に基づく防火基準点検済証と、防火優良認定証の防火セーフティマークを表示する制度があります。 ◆13番(木田孝司君) 本市におきましては、その表示可能となる対象施設の件数は何件になりますか。 ◎消防長(木村清君) 対象施設の件数につきましては、平成18年2月1日現在で282件となっております。 ◆13番(木田孝司君) その表示に係る一連の手続というのは、どういう流れになっていますでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 表示に係る一連の手続についてでありますが、防火基準点検済証につきましては、防火対象物の管理権原者が消防機関に防火対象物定期点検報告書を提出し、受理された後に、防火基準点検済証を購入するなどして1年間表示することができるものであります。また、防火優良認定証につきましては、防火対象物の管理権原者が過去3年間消防法令を遵守し、消防機関に特例認定申請をして認定通知を受けた後、防火優良認定証を購入するなどして3年間表示することができるものであります。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、私が冒頭皆様に見ていただいたこのマーク、これが防火優良認定証ということでやっとなぞが解けたわけでありますが、この制度が効果を発揮するためには、関係する方々に周知、理解されることがやはり第1に必要になってくるものと考えるところです。そこで、事業者や施設管理者への一般的な周知について、どのように図ってこられたかお聞かせいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 一般的な周知につきましては、平成14年の消防法改正時におきまして、防火対象物定期点検報告制度について、対象となる防火対象物の管理権原者に通知を差し上げるとともに、これ以降も、立入検査時や防火対象物の使用開始の検査時におきまして、リーフレット等を活用するなどして周知を図ってまいりました。 ◆13番(木田孝司君) それでは、その効果についてはどのような状況であると御認識されていますか。 ◎消防長(木村清君) 啓発の効果、結果につきましては、対象施設282件のうち131件が特例認定を受けている状況でありますことから、周知が図られているものと受けとめております。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、この防火セーフティマークを表示することが、施設を利用する利用者の一つの安心の指標となると考えますし、そういう安心をするためには大変有用な手段であると考えるわけなんですが、そういった観点からしますと、この防火セーフティマークを掲示していただけるような作業というか、当然必要になってくるんだと思うんですが、そのための協力要請というんでしょうか、PRはどういうふうにされていましたでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 防火セーフティマークの表示のPRにつきましては、防火対象物の立入検査時などにおいて、また点検報告の受理や特例認定通知の交付に際しまして、実効性のある防火管理の徹底を図るため、制度のPRや表示の協力要請に努めております。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、表現が適切でないかもしれませんけれども、ある日突然、私たちがなれ親しんだ適マークが切りかわる、あるいは従前の適マークの表示が目につかなくなってしまうということで、市民に無用な不安と混乱を派生せしめるような状況を回避するためには、今から市民に対する呼びかけをしておく必要があろうかと思うんでありますけれども、この点については、今現在、あるいはこれまで当局としてどのような広報を行ってこられたんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 市民の皆様への広報活動につきましては、年2回実施いたします防火管理講習におきまして、制度に関する講義を通じて参加者へ理解を図りますとともに、広報用リーフレット等を各消防署所に備えつけ、来訪する市民の皆様に情報を提供するなどしてPRに努めているところでございます。 ◆13番(木田孝司君) これまでもそういったいろいろな手だてを講じてこられたということですけれども、さらに申せば、その10月1日に向けて周知を図る観点から、広報いわきなどを活用し、特集を組むということで広報してはいかがかなと考えるんですが、その辺の御所見はいかがですか。 ◎消防長(木村清君) 広報いわきを含めた今後の広報につきましては、暫定適マークが、おただしのように本年10月1日に廃止されますことから、関係事業者に対しましては、防火対象物定期点検報告制度に基づく防火セーフティマークによる表示を指導するとともに、市民の皆様に対しましては、広報いわき、市のホームページ、FMいわき等の広報媒体を通じて広報してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) さらに御尽力賜りたいものだなと考えます。 さて、中項目の2番目の方に移ってまいりたいと存じますが、一般家庭に対する火災警報器の設置義務化についてということで、昨日、我が志政会副会長の石井敏郎議員によりまして、火災予防という観点から、高齢者の保護ということに非常に有効と思われます、一般家庭で設置が義務づけられた火災警報器について質問があったわけでありますけれども、私からは制度全体の骨格を確認するところから、制度の目的の、その全体像というものにちょっと迫ってみたいなと思うわけです。 まずは、きのうも触れられておりましたけれども、昨年10月定例会で行われた関係条例の改正に先立つことの、平成16年6月に改正されました消防法の改正内容はどういったものだったかお示しいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 消防法改正の内容につきましては、全国で住宅火災による死者数が増加し、今後、高齢化の進展に伴いさらに増加するおそれがありますことから、住宅火災における死者数を抑制するために、住宅の寝室等に火災警報器を設置して維持することを義務づけたものであります。 ◆13番(木田孝司君) 今ひとつ確認させていただきます。その条例の施行期日はいつだったでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 条例の施行期日につきましては、新築住宅につきましては平成18年6月1日、また既存住宅につきましては平成23年6月1日となっております。 ◆13番(木田孝司君) それを受けましてということで、さらに確認ということになるのかもしれませんが、その施行日となります本年の6月1日時点で、既に着工していて建築途上の住宅、当然、住まいとしての体裁が整っていないものと思われるわけですけれども、これについては、その設置義務が生じる新築住宅としての規制の対象にはなってくるんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 本年6月1日の時点で既に新築、改築、移転、増築、または模様替えなどの工事中の住宅につきましては、既存住宅に該当することから、平成23年6月1日からその対象となるものであります。 ◆13番(木田孝司君) また一つこれでなぞが解けましたが、やはりこの制度、先ほどの防火対象物の点検報告制度のように、やはり周知徹底されること、そしてまた皆さんに自覚を持っていただくことが第一なのかなと思うんですが、同様に罰則規定というのはあるんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 罰則規定についてでありますが、住宅用火災警報器の設置につきましては、住宅火災による死者数の低減を図るため、必要最小限の義務づけを行ったものであり、自己責任分野を支援するものであるということから罰則規定の適用はありません。 ◆13番(木田孝司君) その自己責任という部分、またちょっと改めてお伺いしたいと思いますけれども、実際に法律、あるいは条例として定められる以上、実際に設置したか、あるいはしているかといった設置状況の検証がやはり必要なのかなとは思うんですけれども、その辺の手当てといいますか、どのようになされるんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 検証の方法につきましては、毎年度消防本部が行っておりますが、一般家庭の防火診断、あるいはアンケート調査等により把握に努めてまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、その設置に当たりましては、購入のための費用負担が当然発生するわけなんですが、特に生活費にゆとりのない高齢者世帯ですとか、そういった方々に対する支援措置、具体的に申せば、購入費の補助のような制度が必要なのではないかなと考えるところですけれども、御所見はいかがでしょう、お聞かせください。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 火災発生の早期感知及び避難を目的として、おおむね65歳以上で寝たきりの方、またはひとり暮らしの方等に対し、老人日常生活用具給付事業により、火災警報器の給付を行う支援措置を実施しているところであります。 ◆13番(木田孝司君) 同様に在宅の障がい者への支援についてはいかがでしょうか。 ◎保健福祉部長(仲野治郎君) 同じく、火災発生の感知及び避難が著しく困難な重度の障がい児・者に対しては、いわき市重度身体障害者日常生活用具給付事業及びいわき市重度障害児等日常生活用具給付等事業により、火災警報器の給付を行う支援措置を実施しているところであります。 ◆13番(木田孝司君) もう既にそういったことで、その辺の支援体制は整っているということでありますけれども、そういう設置にかかわる支援もさることながら、1つ心配なのは、特に御高齢の方の世帯などでは、一たん設置されてしまうと後の管理がなかなか行き届かない。例えば、日常的な作動点検は言うに及ばず、電源となりますその電池が消耗するなどしたときにそれに気づかずに過ごしてしまう。いざというときに使えないといいますか、その機能を発揮しないというようなことがあるのかなと思うわけなんですが、その辺の対応というのはどういうふうになりますでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 電池の消耗などに対する対応についてでありますが、住宅用火災警報器の電池が切れる場合には、72時間前から自動的に警報が発せられることになりますので、その時点で基本的には設置者みずからが対応していただくことになっております。 ◆13番(木田孝司君) 先ほど質問いたしました防火対象物定期点検に係る施設に設置された火災報知器であれば、当然点検の対象となってくるわけなんですが、ただいまその話題としております一般家庭で設置される火災警報器につきまして、動作点検、あるいは作動点検が定期的に行われているかといったことも、管理の状況の確認というのは当局としてどういうふうにされるようになるんでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 火災警報器の管理状況の確認方法につきましては、取りつけ状況や目詰まりの状態、あるいは電池の確認など、火災警報器を有効に作動させるために必要な維持管理につきましては、設置者がみずからの責任で行わなければならないとされております。 ◆13番(木田孝司君) 先ほど答弁の中にもありました既存住宅に関しましては、その経過措置がありまして、設置義務が発生する平成23年5月31日まではまだ猶予があるわけですが、新築住宅につきましてはあと3カ月弱と、もう待ったなしの時期となりつつある状況ですので、いかに確実な周知を図るかということが重要ではないかなと考えます。 そこで、この新築住宅について、建築の手続上かかわりを持つ関係者であるところの建築士さんですとか、あるいは大工さんといった建築、あるいは建設関係者といってもいいのかもしれませんが、その関係事業者の方々にどのような形で周知されてきたんでしょうか、お聞かせいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 住宅用火災警報器の周知につきましては、消防法における住宅用火災警報器の設置義務化の改正に伴いまして、建築基準法施行令が改正されましたことから、関係者の方々にも一応の理解は得られているものと受けとめてはおりますが、市といたしましても、3月中旬に開催予定となっております社団法人福島県建築士会の研修におきまして、建築士及び建設関係者の方々に対しまして周知を図ってまいる考えでございます。 ◆13番(木田孝司君) それでは、この後義務化されることとなる既存住宅に居住する市民への周知というのは、どのような方法で進められるお考えでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 周知の方法につきましては、広報いわきを初め、市のホームページ、FMいわき、広報用チラシ等の広報媒体を活用し、今後あらゆる機会を利用して周知を図るほか、消防団や女性消防クラブ、あるいは自主防災会等と連携いたしまして、きめ細かな広報を実施してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) さまざまな媒体ということでありまして、実は私、ホームページで掲載されているその記事といいますか、部分は先日拝見したところでありますけれども、消防長が冒頭おっしゃいました、その広報いわき、この辺についてはいつごろ掲載を予定されているんでしょうか。もし予定があればお聞かせいただけますか。 ◎消防長(木村清君) 今現在、予定している考えでは、広報いわきの4月号を利用して広報したいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) この制度自体、市民の皆様に認知されることによりまして、また一つ危惧されるのは、高齢者ですとか、あるいは、家庭にいることの多い主婦を狙った悪質な訪問販売などによります消費者被害の発生でありますけれども、よく消費生活相談でも相談が寄せられるという消火器の訪問販売の場合と違いまして、これは間違いなく義務として施行される制度でありますことから、その点を殊さら強調して実勢価格よりも高額な商品を売りつけるなどする、そういった商法に対する注意の呼びかけもまた必要なのかなと考えます。そこでまた、この制度の周知と並行し、そういった啓発といいますか、予防をぜひしていただきたいなと思うんですが、この点に関してはいかがお考えでしょうか。 ◎消防長(木村清君) 訪問販売商法などに対する注意の呼びかけにつきましては、いわき市消費生活センターと連携し、市のホームページを活用して今年1月から広報を既に実施しておりますが、今年度におきましても、広報いわきやFMいわきを通じて広く市民の皆様へ広報するなど、積極的に注意の呼びかけを行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 金額が幾らから幾らまでというような幅を示すこと自体、いろいろ販売者に対して不利益を与えてしまうことになる可能性もありますので、一概には言えないかもしれませんし、ましてや機能的にすぐれたもので何万円もするものもあるということを仄聞しておりますから、その辺は注意が必要なのかもしれませんが、そういった部分に関し、市民の皆様に不利益が及ばないようにということにも注意を払いながら広報活動を進めていただくことが、究極には市民の皆様一人一人の防火意識の定着と向上につながるものと私は確信いたします。それが今、その期間真っ只中のところの春の火災予防運動のスローガンであります、あなたです火のあるくらしの見はり役という言葉の持つ意味を、改めて市民の皆様に理解していただく近道なのではないかなと思います。消防関係機関のみならず市当局がぜひとも一丸となって、その火災予防に向けたさらなる御尽力に期待申し上げながら次の質問へと移らせていただきたいと存じます。 大項目の2つ目、自転車が走るまちいわきについてということで当局のお考えをお聞かせいただきたいと存じますが、この自転車を仲立ちにして見えてきますのは競技、あるいはスポーツとしての自転車ということでなく、健康づくりですとか、あるいは趣味、娯楽としての自転車の利用でありまして、我が志政会の同僚議員であります岩井孝治議員が常々力説しております省エネルギーや地球温暖化防止、この辺にも大いに貢献できるツールとしての自転車ということになるのかなと考えます。 そのような視点から広く認知されている自転車そのものを、性別ですとか世代を超えて時間や空間を共有し、そこから醸成される人と人との心の触れ合いといいますか、そういうものをいわき市民の心にどれだけ響かせ浸透させることができるかが、エコシティーを標榜しますいわき市の持つ役割の一つではないかなと考えます。 そういったアプローチの仕方があることも踏まえながら、本市における自転車振興の一翼を担っていくための環境整備を推進します上で、平成12年3月に策定されました自転車が走るまち「いわき」推進ビジョンというのがあるそうですけれども、これが大いにその意味を持つものではないかなと思慮するところです。これまでもたびたび自転車振興の観点から取り上げられてきました、この自転車が走るまち「いわき」推進ビジョンにつきまして、復習の意味も込め、策定された経過についてまずお聞かせいただけますか。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 自転車が走るまち「いわき」推進ビジョンは、ただいま御質問ございましたように、環境負荷の軽減でありますとか、自然と共生した循環型社会の形成、さらには市民の健康づくりなどを目指し、身近な移動手段であります自転車の利用促進を図るために策定いたしたものでございます。 ◆13番(木田孝司君) 本市としまして、これ以外に取り組んできた自転車の振興策といいますか、類似するような、それに関連するような施策というのはあったんでしょうか。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 本市の自転車振興策といたしましては、平成10年度に、市内の13のサイクリングロードを紹介いたしましたマップを作成いたしております。また、ハード面といたしましては、自転車道路網整備計画を策定いたしまして、夏井川サイクリング公園や自転車道新川・夏井川ルートの整備などを進めてまいったところでございます。 ◆13番(木田孝司君) ただいま企画調整部長の方から答弁の中で話が出ましたそのサイクリングマップですけれども、私も実際ちょうだいしまして中を見させていただいております。関係者の自転車に対する愛情といいますか、大変な労作であることが容易に想像できる内容となっているところなんですけれども、私もそのコースの何本かで実際に自分の足でペダルをこいで走ってみました。そこであることに気がついたんですけれども、実態とそごが生じている部分が大分出てきているのかなという気がするんですね。 例えば、新しくバイパス化されて道路ができているとか、商店としてポイントしてあったところが店じまいしていたりというようなことで、若干寂しい部分もあるんですが、周辺環境の変化がもう随分たっているわけですから、そういった変化もやはり同じようにあるということでありまして、その難易度とかコース自体の組み合わせ、また今申し上げたような道路環境の変化などを含めて、最新の周辺情報を改めて収集し検証した上で、それこそこの高齢化する社会に対応するような、だれもが楽しく安全に安心して走行できるコースの設定をすべきかなと、この際そういった意味で、サイクリングマップの内容を見直すべきではないかなと考えるわけなんですが、その辺の御所見をお伺いします。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) サイクリングマップにつきましては、平成10年度に市民委員5名と市職員5名から成りますいわきサイクルマップ編集委員会というのを設けまして、自転車愛好者からのアドバイスや現地調査等を行い、13のコースを選定したものでございます。各コースには、年齢や体力などを考慮いたしまして、5段階の難易度を設定いたしました。また、周辺の名所でありますとか、休息施設などもあわせて紹介したところでございます。 おただしにありましたように、コースによりましては、周辺に新たな施設が整備されているというようなケースもございますことから、関係者の皆様の御意見なども参考にしながら、改定については検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) そういった最新情報を盛り込んだ上でのサイクリングマップ、その改定版といいますか、そうなりますと、その発行をやっぱり早急に行うべきではないかなというところに思いが至るわけなんですけれども、その改定版の発行、いつごろということで想定されておりますでしょうか。そのスケジュール等、見込みがございましたらお示しいただけますか。 ◎企画調整部長(鈴木英司君) 発行時期につきましては、各コースの状況確認でありますとか難易度、安全性の再検証、あるいは最新情報の収集及び新たなコースの選定の可能性など、調査を進める中で、どのような形で情報提供するかというようなこと等もあわせまして検討してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) できるだけ早期の御検討といいますか、具現化をお願いしたいと存じます。 そして、中項目の2番目ということで移ってまいりたいと存じますが、本市にもう1つその計画として策定されておりますいわき市自転車道路網整備計画というのがあるということでありますけれども、これはどちらかというと、今の話がソフトの部分だとすると、ハードの分野に向けての計画、施策なのかなという印象を持っておるところなんですが、このいわき市自転車道路網整備計画とはどのようなものなのか、その概要といいますか、内容をお示しいただけますか。 ◎土木部長(高島信夫君) いわき市自転車道路網整備計画につきましては、環境にやさしいまちづくりの施策の一つとして、安全で快適な利便性の高い自転車道路網を構築し、自転車の利用促進を図る目的で、平成11年3月に策定したものであります。本計画の策定に当たりましては、1つとして日常の通勤・通学目的での利用、2つとして観光目的での利用、3つとしてサイクリング等のスポーツ目的での利用など、自転車の利用特性に着目し、それぞれの機能が発揮できるような自転車道路網の構築を目指し、既存の幹線道路や河川堤防などの施設を有効に活用した、おおむね総延長の80キロメートルの自転車道路網を重点整備路線として位置づけたものであります。 ◆13番(木田孝司君) その全体構想を私自身、目を通させていただいたんですが、そのルートづくりをする上で、河川を利用している割合が多いのかなという印象を受けたわけなんですが、それについては何か理由というものがあるんでしょうか、あればお聞かせいただけますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 整備計画におきまして、現在整備を進めております新川・夏井川ルートを初め、二級河川藤原川や鮫川など、河川堤防を利用したルート設定を行っておりますが、河川堤防を利用する理由といたしましては、1つとして、その地形特性から平坦性にすぐれ、安全にだれもが快適に走行できる自転車道の整備が可能であること。2つとして、自動車交通が比較的少ないことから安全な走行が確保されること。3つとして、新たに自転車道を建設する場合に比べ経済性にすぐれていることなどの優位性を持つことなどから、河川堤防を効果的に利用しているものであります。 ◆13番(木田孝司君) ただいま土木部長の方から、その利点というか何点か示されたわけですが、それにまさに合致しているということで、今、整備が進められております部分についてお聞かせいただきたいと存じますけれども、一昨年、平成16年の2月でありますが、国土交通省のサイクルツアー推進事業のモデル地区としての指定を受けまして、ただいま答弁の中にもありましたけれども、観光面からもその利用促進が図られるべくということで取り組みが現在進行形で進められている新川・夏井川ルート整備計画につきまして、モデル地区指定直後の同年6月定例会でしたか、これまた同僚議員の岩井孝治議員から質問したところではありますけれども、改めてお聞かせ願いたいと存じますが、そのルートの全体像はどんなものだったでしょうか。 ◎土木部長(高島信夫君) 新川・夏井川ルートにつきましては、JR内郷駅を起点とし、主に二級河川新川、夏井川の堤防を利用し、夏井川の河口部に位置する夏井川サイクリング公園までの全体計画延長26.9キロメートルのルートであります。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、この整備の状況は、現在どのようになっていますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 新川・夏井川ルートにつきましては、平成10年度から整備に着手しております。主に河川堤防上部や河川敷内に自転車道の整備を進めておりますが、今年度は、内郷御厩町地内において、河川堤防上部の舗装延長約600メートルを実施しております。 ◆13番(木田孝司君) 今年度は600メートルの整備ということでありましたが、同ルート全延長で26.9キロあるということでした。既に整備済みの延長はどれぐらいの距離になりますでしょうか。 ◎土木部長(高島信夫君) 平成17年度末見込みで25.7キロメートルであります。 ◆13番(木田孝司君) 計算すればわかることですけれども、このルートに対する整備率はいかほどになりますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 平成17年度末見込みで約96%であります。 ◆13番(木田孝司君) 完成間近ということかなと推察いたしますが、この新川・夏井川ルート、完成見込みはいつごろでしたでしょうか。 ◎土木部長(高島信夫君) 新川・夏井川ルートにつきましては、先ほど議員からもおただしがありましたが、平成16年度に、自転車道の観光面での利用促進を図るサイクルツアー推進事業に採択されましたことから、起点側のJR内郷駅から国宝白水阿弥陀堂までの連絡ルートについてもあわせて整備を進めていくこととしており、平成20年度末の全線完成を目標としているところであります。 ◆13番(木田孝司君) 早期の完成が待たれるわけですけれども、既に96%完成しているという状況であれば、その利用もまた既に発生しているのかなということが容易に想像できるわけなんですが、その利用者数といいますか、概数でもわかればお示しいただきたいと存じますが。 ◎土木部長(高島信夫君) 新川・夏井川ルートにつきましては、日常、観光、スポーツの3つの機能を持つルートとして整備しておりますが、利用状況につきましては、平市街地を中心とした日常的な通勤・通学の利用や、休日におけるレクリエーションとしてのサイクリングでの利用、また健康増進のためのウオーキングでの利用が図られるなど、多目的に多くの方々に利用されている状況であります。 ◆13番(木田孝司君) そういう形でさまざまな利用の仕方がある、されているということでありますが、この施設を利活用しました関連イベントといいましょうか、何か開催状況として目立つものがあれば、ぜひお示しいただきたいと存じます。 ◎土木部長(高島信夫君) 新川・夏井川ルートを活用したイベントといたしましては、毎年10月に開催されているわくわくいわきのイベントの一つとして、わくわくいわきエンジョイサイクリングが行われており、毎年約100名の方々が参加しております。また、市といたしましては、サイクルツアー推進事業における自転車道の観光面での利用促進策として、平成16年10月に、JR東日本との共同により、駅からハイキングを実施し、首都圏を中心に約230名の方々が参加したところであります。 ◆13番(木田孝司君) 既に着手されている部分というか、今、工事に着手している部分についてはそういうことでおおむね理解したところですけれども、今後の事業の進め方ということで伺いたいと思いますが、現在の整備計画全体の中での未整備の部分の対応について、当局のお考えをお聞かせいただけますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 整備計画におきましては約80キロメートルの重点整備路線を位置づけており、このうち新川・夏井川ルートにつきましては平成20年度までに整備が完成する予定でありますが、他のルートにつきましては、今後も既存道路や河川堤防などを有効に活用するとともに、地域のニーズ、市全体の中での優先順位及び他事業との関連性などを勘案して、整備を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) それでは、施設としてのサイクリングロードの管理のあり方についてお聞かせいただきたいと存じます。その前に、先ほど来お話しさせていただいている中で、素朴な疑問として気になることがあるんですけれども、後先逆になってしまいますが、このサイクリング道路、自転車道路というのは、道路としてはどんな位置づけになるんでしょうか、簡単に説明いただけますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 河川を利用した自転車道につきましては、河川堤防上部を利用する場合には、道路と河川の兼用工作物協定の締結の後、市道として認定し、一般市道と同様、道路法に基づき、市が管理を行うこととなります。また、河川敷を利用する場合には、河川法に基づき、河川管理者との協議の後、整備することとなり、整備後の管理につきましては設置者である市が行うこととなっております。 ◆13番(木田孝司君) そうしますと、その成り立ちからして、ほかの道路とはまた違った位置づけの施設ということになるのだと理解するわけなんですが、自然に、あるいは人為的にそのコース上の路盤が剥離して陥没したり、逆に隆起、突出してしまったりということで、利用者に危険が及ぶ蓋然性がこの施設自体はらんでいるということも容易に想像できるところでありますが、市当局として、そういった危険性に対する市民への注意喚起をしていく必要があるのではないかなと私は考えますが、その辺の御所見を伺えますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 現在、整備を進めている新川・夏井川ルートでは、河川内の区間で、急な増水により自転車道が冠水し、危険な状況に陥ることが想定される区間や、堤防上部でも、一般車両の通行があり、交通事故の危険性がある区間もありますことから、ルート内に4カ所設置しましたルート案内板で注意を喚起しているところであります。市といたしましては、当該ルートを多くの市民の皆様に利用していただくために、ルート案内板の増設を検討しているところであり、この案内板の整備にあわせて、利用者に対する注意事項についても記載し、周知してまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) そういったことで、逐次手を入れて整備を進めるということでありますけれども、先ほどサイクリングロード、サイクリングマップの話の中でも申し上げましたけれども、既にルートとして確立されているもの、さらに現状使われている道路を使ってつないでいくことによって、実情に合った新たなルート設定が可能になってくるのかななんていうことも思うわけなんですが、そういったところを盛り込んだ整備計画を改めて設定するために、この辺について、その計画全体を見直してはいかがかなと考えるんですが、その辺の御所見はいかがお持ちでしょうか。 ◎土木部長(高島信夫君) 現在の自転車道路網整備計画につきましては、河川や幹線道路にルートの位置づけを行っておりますが、河川堤防が未整備の区間につきましては、連続性が確保されないこと、また、歩道が未整備の区間につきましては、交通安全上の問題から、現実的なルートとしましての位置づけは困難であると考えております。このようなことから、今後、本計画に基づく整備に当たりましては、実施時点で河川堤防や幹線道路の歩道の整備状況を勘案し、周辺の交通量の少ない安全な道路に迂回するルートの検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆13番(木田孝司君) 先ほど、河川を利用することの優位性についてはお聞かせいただいたところでありますけれども、その点からしますと、河川延長上に自転車道路を整備していくことは、物理的に簡便な方法であると言えるのではないかと考えます。そこで、先ごろ国指定史跡となりました根岸官衙遺跡群の中核をなす磐城郡衙や夏井廃寺を築造するに当たりまして、使用された屋根がわらを焼いたと見られる窯跡として発掘調査されたところの梅ノ作瓦窯跡群のある小川地区まで、当時のかわらの移動経路とは逆のコースをたどるもう一つの歴史探訪ルート、あるいはそういった四季折々の自然が満喫できる渓谷へと向かうコースとして、新川・夏井川ルートを延長し、夏井川本川をさかのぼるようなコース設定はできないものかなと思うんですが、この辺の御意見をちょっとお聞かせいただけますか。 ◎土木部長(高島信夫君) 河川堤防を利用した自転車道の整備につきましては、自転車が走行できる堤防が構築されていることが条件となります。夏井川につきましては、平中平窪地区から小川町下小川地区にかけては、堤防の一部が未整備となっております。このようなことから、夏井川を利用した一連のルートとしての整備は、堤防が整備されていない現時点においては困難であると考えております。 ◆13番(木田孝司君) 余り時間もなくなってきたようです。 ただいま部長の方で答弁がありました中にも、小川地区を含め、堤防を築堤する工事の途上であったり、計画も定かでない箇所があるということを私も承知しているところなんですが、既に整備が進んでいる新川・夏井川ルートのように、どうしても一般道路へ出なければならない重なる部分があるという実情を見ますと、同じようにそういった一般道路と重ねながらのコースどりをすることで、そういった整備が可能なのかなと考えるわけなんです。 そこで、そういうことでこの整備計画との理念とも合致する考え方ということになるんだと思うんですけれども、例えば海から町へ、あるいは奈良時代の根岸官衙遺跡から平安末期の白水阿弥陀堂へ至る歴史探訪、さらには町から緑なす渓谷へつながる自然回帰のコースということで、非常にバラエティーに富んだそういったコース設定が可能になるんだろうなと思うところでありますが、小川地区、JR磐越東線の小川郷駅の近くに、実は河川の中になりますが、河川敷というんでしょうか、昨年暮れに草刈りなど地区住民、それから関係団体の御協力を得る中でしたときに、大変広い場所があってこれは何かに使えるぞということになったわけなんですが、そういったところを先ほどお話の河川改修に合わせて整地していただくことで、例えば、小川郷駅からも近いところにあるということで、そのルートを実現したときに、他の交通機関とのアクセスのよさから見ましても、新たに中継地点として設定していただく中で、駅周辺のそういった場所にレンタサイクルを設置するとかということで利用者に貸し出す、そういうことで利便を図ることで、夏井川だけでなくて草野心平記念文学館ですとか、彼の生い立ちをしのぶことのできる草野心平生家、三春の滝桜にも引けをとらないと私自身思っております諏訪神社のしだれ桜ですとか、海を見渡せる小玉ダムにつながるルート設定が可能になるかなと思うわけですけれども、その辺について御意見をいただけますか。
    ◎土木部長(高島信夫君) 自転車道の整備につきましては、下流から必ずしも整備しなければならないということではございませんが、例えば平地区から小川地区までを一連のルートとして結ぶに当たりまして、河川堤防が未整備の区間、そういうところが先ほど答弁申しましたようにございます。そういう場所につきましては、小川江筋沿いの市道や交通量の少ない市道、あるいは農道等の既存道路を活用するということで、一連のルートとして決定することが可能ではないかと考えております。 そのようなことから、当該ルート選定につきましては、今後現地踏査を行うなど、現地の状況を把握するとともに、施設を管理する管理者などとの協議を行い、さらには地元の皆様の御意見をお伺いしながら検討してまいりたいと考えております。 ○議長(藁谷利男君) ここで、午後3時15分まで休憩いたします。               午後3時03分 休憩                  ---------               午後3時15分 開議 △蛭田源治君質問 ○議長(藁谷利男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。1番蛭田源治君。               〔1番蛭田源治君第二演壇に登壇〕 ◆1番(蛭田源治君) (拍手)1番いわき市議会志政会の蛭田源治です。通告順に従いまして質問をいたします。 まず、大きな質問の1番目は、勿来の関の公園についてであります。 勿来の関は、皆さん御存じのように、奥州三古関の1つとして、奈良時代の8世紀に蝦夷の南下を防ぐ目的でつくられました。その後、平安時代になってからは、朝廷の勢力圏がはるか北方に広がったため必要がなくなり、名のみの関になったようであります。現在は風光明媚な桜の名所として有名でありますが、勿来の関が時を経て今の世まで残ったのは、和歌の歌枕として詠まれたからだと言われております。 歌枕とは和歌に詠まれる名所のことでありますが、平安時代は和歌が盛んな時代、勿来という言葉は当時の語法によると、来るなかれ、来ないでほしい、来ないでおくれという意味だそうであります。こんなことから、人も道も季節も、そして恋をも妨げる意味の歌枕として多くの歌に詠まれたということであります。この勿来の関としての歌枕が当時一躍有名になったのは、あの美人の名高い小野小町の、みるめ刈る 海人のゆきゝの 湊路に 勿来の関も わが据なくにという歌で、これが大いに影響したようであります。また、平安の歌人で、古今和歌集を編さんしたり、土佐日記をあらわした紀貫之の、惜しめども とまりもあへず 行く春を 勿来の山の 関もとめなむという大変格調高い歌が夫木和歌抄に残ってあります。また、恋の歌では、玉葉和歌集の中に和泉式部の、なこそとは 誰かはいひし 云はねども 心に据ふる 関とこそみれというのがあります。当時は、当地へ来ることができないので、勿来の関の様子を聞いたりしながら想像し詠んだようであります。 しかし、実際にここを通り、勿来の関の知名度を全国的に高めたのは八幡太郎、源義家ではないかと思います。源義家は源氏の棟梁で、天下第一武勇の士と称賛された平安時代の武将で、文才も豊かで和歌を詠み、文武両道に秀でた、いわば当時のスーパースターだったわけでありますが、その源義家は、今をさかのぼること920年、ことし市制施行40周年を迎えるここいわき市も、まだ陸奥の国に統合されていたころ、奥州での後三年の役の戦が終わり、京に引き揚げる際に勿来の関を通り、見事な桜の下で、吹く風を 勿来の関と 思へども 道もせに散る 山桜かなと詠んだと言われています。この情景は、半七捕物帳などで有名な歌舞伎作家、岡本綺堂氏が史劇勿来の関の題で作品を残し、そしてこの劇は、地元の小学校では以前、学芸会の6年生の劇として毎年繰り返し演じられたということであります。また、最近では、平成5年に当時の勿来青年会議所が、一般市民からキャストやスタッフを募集し、地域おこしの市民劇として勿来市民会館で上演し、大変好評を得たことも記憶に新しいことであります。源義家のこの和歌は千載和歌集に載っていますが、千載和歌集に載っているのはほとんど公家か歌人の歌でありまして、武士の歌は数少ないのであります。そこにあるということは、いかに源義家とこの歌がすぐれていたかがわかるかと思われます。 このように、勿来の関を歌枕として詠んだ和歌は、有名な和歌集に載っているだけでも50首も60首もあり、記録に残らない歌まで入れると、いかにここが歌枕として詠まれていたか想像できるかと思われます。また、古い歌ばかりではなく、最近では斎藤茂吉が大正4年に勿来の関を訪れ、みちのくの 勿来へ入らむ 山がひに 梅干ふゝむ あれと阿がつまと詠んでいます。現在でもここを訪れ、歌を詠んでいかれる方が多くいることも紹介させていただきます。 さて、私は勿来で生まれ、そして育ったことから、勿来の関公園へは幼少のころから訪れ、また小学校での遠足や、あるいは県外からの友人の案内と、現在までいろいろな機会に数多く足を運んでおります。私にとって、地元を誇って案内できる自慢の場所だったわけであります。そして最近は、行くたびにいろいろな形で整備され、これからの自然環境と景観が生かされた魅力ある公園になってきていて大変うれしく思っているところであります。 それでは、1点目の質問は、勿来の関公園整備事業についてであります。まず、再整備計画に基づく事業概要についてお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 勿来の関公園は昭和26年に県立自然公園の指定を受け、昭和35年に風致公園として都市計画の決定をし、昭和61年から63年には勿来関文学歴史館を中心として、遊歩道、詩歌の古道、駐車場等の整備を行い供用開始をいたしましたが、施設の老朽化が著しく、また来園者のニーズ等の変化により、来園者が減少傾向にあったことから、平成12年の勿来関文学歴史館の再整備にあわせ、自然環境の保全を図るとともに、南部地区の活性化を目的に、勿来の関公園の再生のための基本計画等を策定したものであります。 その概要といたしましては、時代考証を加味した体験学習施設を核とする歴史の森、新詩歌の小径を計画している文学の森、その他に野鳥の森、やまざくらの森、あじさいの森の5つのゾーンに分け、歴史と自然環境、景観を生かした魅力ある公園に整備することとしたものであります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、その総事業費は幾らだったでしょうか。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 本公園の整備事業の総事業費は、17億4,800万円であります。 ◆1番(蛭田源治君) 事業期間についてもお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 事業認可期間につきましては、平成13年度から22年度までとなっております。 ◆1番(蛭田源治君) 次に、今後の取り組みについてお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 本公園の整備につきましては、野鳥の森ゾーン内のお花見広場、歴史の森ゾーン内の駐車場や園路、さらには、本公園の核となる体験学習施設の建築本体工事が完了しており、現在、附帯施設となる庭園の整備を行っているところであります。今後は、体験学習の施設の周囲に設置する門や築地塀を初め、勿来の関を歌枕とした歌碑が並ぶ詩歌の古道、さらには、自然環境と景観を生かしたゾーンごとの散策路や休憩施設などの整備を行う予定であります。 ◆1番(蛭田源治君) 今の答弁を聞いておりますと、古くから東北の玄関と言われ続けてきた勿来の関が、ますますすぐれた歴史文化や自然環境が生かされた公園になってくると思うところでありますが、次の2点目は、現在建設中である体験学習施設について質問いたします。 今、勿来の関公園に行きますと、寝殿づくりの建築物があり、多くの市民の方に、何をつくっていて、完成したら何に使うのかなどとよく聞かれまして注目されています。確かに、この寝殿づくりの建築物の姿は平安時代の情景であり、勿来の関の時代背景イメージによく似合うところであります。 それでは、まずこの体験学習施設の概要についてお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 勿来の関は、古くから白河の関や念珠ヶ関と並び奥州三古関と呼ばれて、歌枕の地として、これまで数多くの歌が詠まれていることを踏まえ、和歌の普及が進み、勿来の関を詠んだ歌が多く残る平安時代をイメージし、当時の歌人が暮らしたであろう寝殿づくりの住まい様式等をモチーフとして、体験学習施設を計画したものであります。 その概要といたしましては、中央に体験学習施設、東側にトイレ、西側に機械室並びに事務室を配置し、それぞれを廊下でつなぎ、南側には回遊式の庭園を配置し、周囲には門や築地塀を設置する計画となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、本整備計画に当たっては、地域の皆様の意見は聞いているのかどうか伺います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 本学習施設の整備計画策定に当たりましては、基本計画段階から、勿来ひと・まち未来会議を初め、県立勿来自然公園を守る会や周辺地区の区長会などの各種団体と時代考証を踏まえた意見交換を行い、施設の配置や規模等について御意見をいただき、その反映に努めてきたところであります。 ◆1番(蛭田源治君) 本計画を進めるに当たっては、今後とも地元の皆さんの意見をよく聞いて、意見を交換しながら進めていただきたいと願うところでございます。 それでは次に、この施設の工事進捗状況をお聞かせ願います。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 本学習施設の工事進捗状況につきましては、平成16年度に体験学習施設の建築工事が完了し、現在、回遊式の庭園やスロープなどの整備を行っているところであり、今後の予定につきましても、平成18年度に門や築地塀、さらには園内の植栽工事などを行いまして、平成19年度の供用開始を目指してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 平成18年度中には完成し、19年度より供用を開始するということでありますが、体験学習施設はどのような利活用を想定しているのかお伺いいたします。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 本学習施設の利活用につきましては、勿来の関公園の歴史・自然に触れ合うことを目的とした総合学習の場、寝殿づくりの建屋及び庭園を利用した歌会、曲水の宴、野外での野点、能などの発表の場、さらには各種集会の場などを想定しております。 ◆1番(蛭田源治君) 大変すばらしく、なかなか今後使うことが本当に楽しみになって、いろいろ夢が出てくるわけなんですけれども、完成しましたら使ってみたいと待ち望んでいる市民の方も多いかと思われます。ぜひ、多くの市民の方にいろいろな機会に何度も使っていただきたいと願うのでありますが、完成後の窓口業務を含めた維持管理についてお聞かせください。 ◎都市建設部長(佐藤廣君) 完成後の維持管理につきましては、平成18年度から指定管理者制度導入に伴いまして市公園緑地観光公社が行うこととなりますが、今後、基本計画の段階から協議を行ってきた勿来ひと・まち未来会議等を通して施設利用の形態や方法等について協議を行いまして、市民に親しまれるよう、よりよい施設づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、3点目は、勿来の関公園にあります勿来関文学歴史館について質問いたします。 いわき市には、文学と名のつく館が2つあります。1つは草野心平記念文学館で、もう1つが勿来関文学歴史館であります。まず、勿来関文学歴史館の概要についてお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 勿来関文学歴史館は、市民の勿来の関に係る文学及び歴史についての知識及び教養の向上と観光振興を目的として、昭和63年7月に開館したものであります。その後、観光ニーズの多様化や新たな観光施設が開設されたことなどにより、当施設入館者が減少傾向にありましたことから、平成12年度に、展示内容を勿来の関にちなみ、歌の世界と旅の世界をテーマとした常設展示室や市民ギャラリー、休憩スペースを設けた施設としてリニューアルしたものであります。 ◆1番(蛭田源治君) その勿来関文学歴史館の入館者についてでありますが、調べたところ、開館当初は年間8万人くらいありました。平成5年には約6万4,000人、平成8年には5万人を下回り、平成10年には約3万3,000人、リニューアル前の平成11年には約2万7,000人まで減ってしまいました。リニューアル後の平成13年は約4万5,000人、平成14年、15年は約4万8,000人になりましたが、平成16年は約4万1,000人になってしまいました。この入館者が減少しているその原因についてお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 勿来関文学歴史館の入館者数は、約9割が大人になっております。さらに、夏期に最も多く入館する利用形態となっておりますが、年々個人客、団体客とも減少している現状にあります。原因といたしましては、近年の旅行スタイルが体験型旅行に移行しているなど観光ニーズが多様化していること、周辺地域における大規模施設のオープン、さらには海水浴客の減少なども入館者減少の原因であると考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 勿来関文学歴史館には2つの常設展示室がありますが、これが勿来関文学歴史館に入場したときにいただけるパンフレットなんでありますが、ここにも企画の内容が書いてありますけれども、この現在の企画内容になった理由について伺います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 常設展示室の企画内容につきましては、平成9年に、学識経験者、関係団体、行政などで構成する勿来関文学歴史館事業企画・運営懇話会を設置いたしまして、その提案を取り入れながら検討した結果、勿来の関にちなみ、歌と旅の世界をテーマとして整備したものであります。来館者が初めに入館する2階展示室は歌の世界にスポットを当て、著名な歌人により歌われた勿来の関を紹介する展示内容とし、1階展示室は近世の旅を主題として宿場町を再現した展示内容としたものであります。 ◆1番(蛭田源治君) さきに述べましたように勿来の関は、平安の昔から歌枕として多くの和歌に詠まれ、2階にある常設展示室は、今答弁にありましたように、その歌枕、勿来のテーマに沿って企画してありますが、来館者からは、せっかく和歌が書いてあるのに文字が小さく、そして室内が暗くて、有名な歌人の和歌なのに解説もなくわかりにくいなどの声が多く寄せられております。 また、1階にある常設展示室は、不思議タウンなこその名があり、江戸時代後期の宿場が体験できるようでありますが、勿来の関とどう関連性があるのか理解できないとか言われております。実際、私も何度か訪れましたが、確かに、勿来の関にある文学歴史館なのに、来館者はこれに関連する歴史物や文学物とか資料などがあるのかなと思って来るようでありますが、そうではなくて期待しているものとは違っているようであります。また、勿来の関のまさに象徴でもあります源義家に関するものもほとんどないようなのですが、勿来関文学歴史館は、勿来の関のイメージアップになっているのかどうかお伺いいたします。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 勿来関文学歴史館は、勿来の関に関係する著名な歌人の和歌などを紹介するとともに、近世の旅を主題として宿場町を再現した展示内容となっておりますが、周辺の源義家像や勿来の関を詠んだ歌碑が並ぶ詩歌の古道などと相まって、勿来の関全体のイメージアップに貢献しているものと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 勿来関文学歴史館は、文学歴史館というその名のとおりの企画内容展示であるべきかなと思うわけなんですが、勿来関文学歴史館の今後のあり方についてお聞かせ願います。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 今後につきましては、より多くの市民に親しまれ、観光誘客にも貢献できるよう、観光客のニーズに対応した企画展の充実や歌会などの勿来の関にちなんだイベント等を開催するなど、ソフト事業を積極的に展開することにより、周年を通して勿来の関の魅力を市内外に積極的に情報発信し、入館者の増加を図ってまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) あそこに、いろいろな観光客が来たときの感想など、いろいろな意見などを書いてもらうような、アンケートなんかの内容ですが、今後は来館者の感想を聞くためのそういうアンケートなどもぜひ実施すべきであると思います。データなくして対策なしでありますので、ぜひ多くの意見を聞いてもらいまして、今後の参考にしてもらいたいと思っております。 そして私は、文学歴史館という名のとおり、これは本来、教育委員会が所管し、勿来の関に関連した企画展示とかに見直しをして、勿来の関のイメージアップにつなげていっていただきたいと強く願うところであります。いわき市を紹介するとき、歴史と文化の漂う南の玄関、勿来には何々とこの後いろいろ続くわけでありますけれども、そういう言葉が多く使われております。これは、勿来の関を意識したことだと思いますので、ぜひ御検討くださるよう強く御要望申し上げます。 勿来の関公園は、さきの答弁にもありましたように再整備され、体験学習施設も18年度末までには完成します。これからは、今まで以上に誘客が図られると思われるところであります。勿来、来るなかれから、勿論また来るの意味の勿来にしたい思いでありますが、4点目は、観光面からの勿来の関公園のあり方について質問いたします。まず、隣接市との広域観光連携についてお聞かせください。 ◎商工観光部長(若松勇四郎君) 隣接市との広域観光連携につきましては、いわき市・北茨城市・高萩市が国土交通省から、観光地域づくり実践プランの対象地域として選定されたところであり、それぞれの地域に息づく詩歌、童謡、歌謡曲などのうたをテーマとした観光地づくりを推進しているところであります。 この中で、勿来の関公園周辺は、和歌を中心とした関の"うた"と文学めぐりの拠点施設としての位置づけがなされていることから、今後は、新たに作成を予定している3市の広域観光パンフレットでのPRや観光ツアーの企画などを通して、勿来の関公園を含めた隣接市の観光文化施設との連携を強め、観光交流人口の増大に結びつけてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 隣の北茨城市には、文化的な観光地として野口雨情記念館、茨城県立天心記念五浦美術館、そして関東地方で大変有名な五浦海岸と六角堂などがありまして、この五浦海岸と勿来の関公園はすぐそばで隣り合わせになっているわけでありますが、勿来の関は北茨城市にあるのではないかと思いまして、北茨城市には観光の問い合わせが時々あるとも聞いております。県境、市境を挟みますけれども、一本の観光ルートとしてぜひ確立していただき、そして多くの観光客に訪れてもらいたいと思います。今後も、もっともっとPRはしていかなくてはならないのかなと思っておるところでありますけれども、ここで櫛田市長にお伺いいたします。 このように、勿来の関公園は大きく整備され、19年度には体験学習施設もオープンし、歴史と文化の名にふさわしいいわき市の南の玄関になってきたのではないかと思います。今後は、観光面から今まで以上に交流人口の拡大が図られると思いますけれども、市長の考えはいかがかお伺いいたします。 ◎市長(櫛田一男君) 議員おただしのとおり、勿来の関は古くから東北の三古関の一つでございますし、途中からは、その目的が歌枕の関というふうに、歌人の憧れの地になったわけであります。 したがいまして、今まで議論が積み重ねられたとおりの経緯があったわけでありますけれども、お話のとおり、勿来の関は、現在の行政区でいいますと東北圏と関東圏のちょうど境目であります。したがいまして、勿来の関の南側は茨城県になりますが、あそこを関南といっております。関の南だから関南であります。そして、その関の北側にあるのが関田であります。現在の関田町であります。そういうふうに、関の明神を挟みまして、勿来の関を中心にして北南で昔はかかわったわけでありますから、現在に翻って北茨城、高萩、磐城という3つのルートを確立したわけでありますので、改めて関南の文化と、それから関田の宿場の文化、これを盛り上げていきたいなとも思っておりますし、あそこの関はいろいろ場所が変わったと言われておりますけれども、一時期は九面の下を通っておりました。それで、九面や 潮満ちくれば 道もなし ここを勿来の関といふらんという飛鳥井の少将が歌った歌がございます。勿来の海水浴場のあたりを通ったわけであります。 そして、これはいっぱい歌っておりますけれども、現存しております歌が65首ぐらいありますが、実は坊様も歌っているんです。西行法師も、みちのくの しのぶのさとに さすらえど なこその関を こえぞわずらう、こういう歌を歌っておりますので、相当その当時は有名な場所であったものと思っております。現代にそれを利用しない手はないということを考えておりましたので、新しくできる施設におきましては歌会なんかをして、これも当代一流の歌人に判定、選者になっていただきまして、さらには一席から三席ぐらいまでの間を地元の石に刻んで、歌の古道の別ルートのところにそういうものを建立したりしながら、現代版の歌の世界を呼び戻していきたい。さらには先ほど申し上げました関南、関田、その宿場町としての位置づけも文学記念館の中に演出をしてみたいと、こんなふうに考えております。 それで、今までは役所が経営しておりましたので、非常に固い雰囲気がございましたが、これからは指定管理者制度を導入しながら、民間のノウハウを導入しながらやっていくので、少しは歌枕らしくなってくるのではないかと、こう思いますが、中にはところてんなんかを売るところがあってもいいのではないかと思っていますが、そんなことでいろいろな形からあそこににぎわいを取り戻す原点をつくっていきたいと思っておりますので、今後ともお力添えを賜りますようお願い申し上げます。 ◆1番(蛭田源治君) いろいろな構想が、夢が膨らんでくるかなと思います。勿来の関公園は自然環境や景観のすばらしいところでありまして、有数の桜の名所でもあります。きょうは3月3日、桃の節句ではありますが、来月は4月、桜の咲く季節であります。勿来の関公園は1年で一番美しい時期を迎えるわけであります。どうかたくさんの観光客が訪れ、桜花爛漫の中で歌の1つ、2つを詠んでいただけるようお願い申し上げまして、次の農業面の質問に移らせていただきます。 次の大きな質問の2番目は、米の生産調整についてであります。 米の生産調整、これは農業政策にとっても農家にとっても大変古くて新しい問題であります。ここで改めてお伺いいたしますが、米の生産調整の役割についてお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 米の生産調整は、米以外の作物を奨励したり、一部の水田を休ませることによりまして、米の需給均衡を図る最も重要な手段として位置づけされております。さらには、米の価格の安定にも寄与するものであります。 ◆1番(蛭田源治君) 単純に考えますと、肥料や農薬などの生産資材が改良されてよくなったり、農業機械の発達、生産技術の向上などにより、同じ面積に米を栽培しても以前より収量がふえましたが、しかし国民1人当たりの米を食べる量が減ったということではないかと思います。つまり、米の生産と消費の需給バランスが崩れてきたため、水田を米以外の作物に転作し、米の生産調整を行うということでありますが、特に国民1人当たりの米を食べる量は大変減っているようであります。統計によりますと、今から44年前の昭和37年には1人当たり118キロ食べていましたが、年々減り続け、3年前になりますが平成15年には62キロとほぼ半分に減っているということであります。 私が、農協に営農指導員として就職したのは昭和52年でありますが、翌年の昭和53年から本格的な生産調整が始まりました。豊作を素直に喜べなくなったということなんでありますけれども、豊作で生産量がふえると、次の年は生産調整、つまり水田転作を多くしなければならないということからです。何とも複雑な思いで仕事をしていたわけでございます。 それではここで、いわき市における過去10年間の生産調整目標に対する達成率についてお尋ねいたします。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 過去10年間の達成率は、平成8年度から11年度までは100%達成しておりましたが、平成12年度で91.9%となり、以後下がり始め、平成15年度には72.4%となっております。平成16年度からは生産目標数量の配分となりまして、達成率に換算しますと平成16年度が79.67%、平成17年度につきましては75.34%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) ここ数年、未達成に終わっているようですが、その主な原因は何なのかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(大和田正人君) これまで米及び水田農業に関する各種の施策を実施してまいりましたが、生産調整実施者と非実施者との間の不公平感など、さまざまな要因が重なりまして、各種対策に対しての期待感が薄れ、生産調整への協力が得られなかったものと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 生産調整のいわき市での達成に向けて、市当局ではいろいろな対策を講じてきたと思いますけれども、過去の取り組み策についてお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 水田における転作作物となる大豆・そば・飼料作物の団地化を図るため、補助事業等により、共同で利用する機械や施設の導入を行うなど、水田農業経営を確立するために必要な各種営農条件の整備を図ってまいりました。また、新規作物の導入や特産物の産地形成を図るため、資材や機械の導入など、生産者への支援策を実施してきたところであります。 ◆1番(蛭田源治君) では、その取り組み策の実績の効果について伺います。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 水田における転作作物の実績につきましては、市内の集団転作のモデルともなりましたブロックローテーションによる四倉町の菊やいちじくの栽培を初め、三和町の大豆、そば、川前町の飼料作物栽培などに取り組んでおります。それらの効果につきましては、いちじく及びそばの作付面積が増加しており、生産調整の面積拡大に寄与しているところでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、3点目は平成18年度の取り組みについて質問します。まず、平成18年度のいわき市の生産目標数量配分率について伺います。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 本市の平成18年産米の生産目標数量配分率は58.2%となっております。 ◆1番(蛭田源治君) そうしますと、実に水田の41.8%は米をつくれないということになりますけれども、生産目標数量配分率がなぜそんなに少なく、逆にそんなに転作率が多くなったのかについて伺います。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 生産目標数量の配分に当たりましては、国・県ともに、過去の作付状況に応じて平成18年産の生産目標数量を決定しましたことから、これまで作付超過が続いていた本市におきましては、大幅に生産目標数量が減じられる結果となっております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは次に、その目標を達成しなかった場合の問題についてお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 米の生産調整が未達成となった場合、市におきましては、いわき市水田農業推進協議会に交付されている水田農業構造改革交付金が作付超過率に応じて減額されることに加えまして、国・県からの生産基盤整備事業等の採択や、次年度以降の生産目標数量の決定に対しても影響があるものと考えております。また、個人において達成しなかった場合につきましては、転作交付金等の生産調整にかかるメリット措置が受けられなくなります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、目標達成に向けての本市の取り組みについてお伺いいたします。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 去る1月20日、関係機関等で構成するいわき市水田農業推進協議会において、米の生産調整の推進方針等が決定されたことを受けまして、1月25日に市内2JAにおいて理事、職員等に対する生産調整説明会を実施するとともに、地域の農事組合長等に対する各支店説明会及び各集落座談会等に出席しまして説明してきたところであります。 また、平成18年度は、平成16年度から実施してきております水田農業構造改革対策の最終年度となりますことから、目的達成に必要なあらゆる制度を活用しながら、生産者の理解と協力を得られるよう努力してまいります。 ◆1番(蛭田源治君) 米の生産調整は、今お聞きしましたように、達成しなかった場合の問題もあるようでありますし、労力をかけ負担も支出して取り組んでいるようでございます。長年の生産調整には、農家にあきらめムードもあるようでありますけれども、どうかまず実施しなければならない目的の理解と実施への協力をいただきまして、そしてその推進には、JAなどの農業団体と一体となって達成に向けて進めていただきたいと要望するところでございます。 次の大きな質問の3番目は、経営所得安定対策等大綱についてであります。 今回の政策改革は、農業従事者の減少や高齢化のほか、耕作放棄地の増大など、我が国農業・農村が危機的状況にある中で、兼業農家、高齢農家などを初め、多様な構成員から成る地域農業を、担い手を中心として、地域の合意に基づき再編しようとするものであると認識しているところでございます。 この経営所得安定対策等大綱は、政策改革の意義を踏まえ、品目横断的経営安定対策を中心として、これと表裏一体をなす米政策改革推進対策の見直し内容、さらに品目横断的経営安定対策と車の両輪をなすと言える資源・環境対策の3つの対策の内容を、相互の関連にも留意して取りまとめたものであるということで、平成19年度から導入するということでありますけれども、1点目の質問は、この大綱の中心となる品目横断的経営安定対策についてであります。 この対策は、これまで全農家を対象として米、麦、大豆など品目ごとに実施してきた助成制度を見直して、意欲ある担い手に対象を限定して、経営の安定を図る対策に転換するものであるということでございますけれども、まず、なぜ担い手に限定なのかお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) WTOにおける国際規律の強化、農業従事者の高齢化や減少に伴う我が国農業の生産構造の脆弱化への対応を図る観点から、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う強靱な農業構造を構築するため、農業経営安定を図る対策に転換し、意欲と能力のある担い手に対象を限定したものであります。 ◆1番(蛭田源治君) それでは次に、この担い手とは具体的に何なのかお伺いいたします。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 担い手とは、認定農業者と原則20ヘクタール以上の経営規模で水田、または畑作経営を行い、団体の規約を作成の上、農用地の利用集積目標を定め、集落名義の口座を開設、販売収入を入金するなど経理の一元化を図り、5年後を目標に法人化する計画を作成することができる、いわゆる集落営農であります。 ◆1番(蛭田源治君) 次の質問は、先日の質問で答弁がなされているので割愛します。 さて、平成19年度からの導入で余り時間がないようなのですけれども、平成19年度に向けて、担い手の育成の具体策についてお示しください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 農業協同組合を中心に、関係機関・団体で構成されたいわき市地域担い手育成総合支援協議会により、新たな対策への理解を深めるため、これまで各種研修会や説明会を開催してまいりました。今後は、集落からの意向や集落における合意形成の段階に応じた必要な支援を機動的に講じるため、関係機関・団体の一層の連携強化、いわゆるワンフロア化などにより、適時適切に迅速な対応を図ってまいる考えであります。 ◆1番(蛭田源治君) この対策は、認定農業者が中心となりまして、またそれはいわき市に228名いるということでございましたが、これは集落ごとに必ずいるとは限りません。この認定農業者がいない集落への対策についてお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 認定農業者のいない集落におきましても、優良な農用地の効率的かつ総合的な利用を図るため、集落営農に向けた合意形成の場づくりの意向に基づき、関係機関・団体が一丸となって、その組織化に向けた段階的な支援に努めてまいる考えであります。 ◆1番(蛭田源治君) この対策の集落営農では集落内の話し合いが大変重要になるとありますけれども、何を話し合えばよいのか伺います。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 集落における優良な農用地の効率的かつ総合的な利用を図るため、作付地の集団化や農作業の効率化の推進方策、担い手の育成・確保の進め方、担い手への農用地の利用集積の目標など、将来に向け持続可能な地域農業のあるべき姿を、地域の実情に応じて話し合っていただきたいと考えております。なお、特に適地適作となる作物の作付の工夫や暮らしの舞台となる地域づくりの方向性についても、大いに話し合われることを期待しております。 ◆1番(蛭田源治君) それではここで、国のこの対策に対しての市当局の考え方をお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 厳しさを増す国際情勢、担い手不足の農業構造を改善するために不可欠な農業経営の安定化を支援する対策として、意義あるものと受けとめております。農業者の皆様はもとより、農業協同組合を初め、関係機関・団体が新たな対策についての理解を深め、お互いに知恵を出していく必要がありますので、市といたしましても、政策の導入推移を見極めながら、地域農業を担う担い手の育成・確保に向けまして、適時適切に対応してまいる考えであります。 ◆1番(蛭田源治君) 今までの答弁にありましたように、この対策の推進においては、集落内の農業者による話し合いを通じた担い手の明確化などの取り組みが求められております。これらの取り組みを進めるに当たりましては、農業者の公的代表機関であります農業委員会の果たす役割が重要になるかと考えられるところでございます。そこで、この対策の推進に向け、農業委員会ではどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。 ◎農業委員会事務局長(永山肇一君) 農業委員会が果たすべき役割といたしましては、担い手を各集落において明確化する上で、集落における話し合いを推進するほか、農地の利用集積活動によって認定農業者などの担い手の育成を図るとともに、農作業や農業経営の共同化を通じ集落営農組織の確立を積極的に推進していく役割を担っております。このことを踏まえまして、農業委員会では、去る1月27日に開催されました第5回総会におきまして、農業委員会における担い手の明確化と集落営農の推進に向けた取り組みについて、基本的な方針を決議したところでございます。農業委員みずからが積極的に集落内の合意形成の推進や担い手の育成などに取り組むものでございます。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、この対策への農業者の加入に際しまして、農業委員会が実施すべき業務についてはどのようなものがあるかお示しください。 ◎農業委員会事務局長(永山肇一君) 農業委員会が実施すべき業務につきましては、加入対象者の経営規模において、農業委員会が保有しております農地基本台帳をもとに算定することとされておりますことから、認定農業者などの担い手が農地を借り受ける際に、農業委員会の許可申請や申し出を行うように指導することを通じまして、農地基本台帳の一層の保管、整備の業務に取り組むことであります。また、農地に関連する事務の迅速化を図るとともに、平成18年度より、農地の利用調整活動をより有効に行うことを目的といたしました農地情報管理システム整備事業に取り組み、農地基本台帳における機能の充実に努めてまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 2点目の質問は、品目横断的経営安定対策と表裏一体をなす米政策改革推進対策についてであります。この対策は、現行の平成16年から平成18年までの米の生産調整支援策を見直して、品目横断的経営安定対策との整合性を図りつつ、米政策改革大綱の趣旨に沿って、農業者や農業者団体の主体的な需給調整システムへの移行を目指すものであるということでございますけれども、市当局は、この対策に向けてどのような対応を講ずる考えであるのかお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 米政策改革推進対策は、平成19年産からの米も含めた品目横断的経営安定対策の導入と、需要に応じた生産を農業者・農業者団体みずからが行う、いわゆる新需給調整システムへの移行を踏まえ、水田農業の構造改革を推進するものであります。今後、国・県から具体的な要綱等が示されてくることとなりますが、水田農業が持続的に発展していくためには、大豆を初めとした土地利用型作物と水稲を組み合わせた産地化を集団的に形成していくなど、構造改革を積極的に推進してまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) この対策は、さきに質問した米生産調整を平成19年度から見直しをいたしまして、水田農業のあるべき姿の実現を目指していますが、私の実感としては、米の生産調整の目標が多くなってきたことで、農家は大分、水田農業への意欲が少なくなってきたと思っているところでございます。しかし、今後の対応により、担い手を中心とする農家がぜひ意欲を持って農業に取り組んでいただきたいと切望するところでございます。 3点目の質問は、品目横断的経営安定対策と車の両輪に例えられます農地・水・環境保全向上対策(仮称)についてであります。この対策は、まだ(仮称)となっていますけれども、まずこの対策の目的についてお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 本対策は、担い手とその基盤を守り、農業の持続的発展と食料の安定供給、多面的機能の発揮が図られるよう、品目横断的経営安定対策と車の両輪をなす施策として位置づけられており、地域の農地・農業用水等の資源を良好な状態で保存していくことを目的としております。 ◆1番(蛭田源治君) それでは、実際にどのようなことをすると支援が受けられるのか伺います。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 地域内で活動組織を立ち上げ、この組織が実施する農道やため池の草刈り、簡易的な水路の補修、農道沿いの植栽など、地域ぐるみで行う共同活動が支援の対象となります。また、地域内で化学肥料や農薬の低減など、環境保全に向けた先進的な営農活動も支援の対象となります。 ◆1番(蛭田源治君) 農地、その中でも特に水田は多面的な機能が多くあります。まず、自然のダムの役目。降水量が大変多く、また山の多い我が国の国土は傾斜が急で川の流れも早く、非常に洪水や土砂崩れが起こりやすい地形であります。水田では水をため、ゆっくりと放出させていくことのできるダムに似た働きをして洪水を防ぎ、そして傾斜にある水田が土砂崩れを防ぎます。雨が降ると、雨水をためることができる水田の貯水量は、全国で44億トンにもなるという試算がありまして、その量は何と東京ドームの3,500杯分にもなるということでございます。 そのほかにも、天然のフィルターとしてのきれいな地下水をつくる働き、そしてその地下水の量を一定に保つ役割などがあります。水田が人工的なものにもかかわらず、自然の中へ溶け込み、自然と共生し、そこには四季折々の風景がありまして、さまざまな生物が生活の場として過ごす水田ならではの自然環境があるわけなのです。もちろん、いわき市にある水田も全く同じ機能があるわけです。今まで農家が、その水田を初めとする農地や農業用水の維持のために、また地域環境保全のために江払いや草刈りなどを共同作業として行ってきました。それらのことが、農村地域において農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図るため、地域ぐるみでの効果の高い共同活動に光が当てられ、そして発展していくことは大変喜ばしいことであると思うところでございます。 それでは次に、この対策は初めての対策でありまして、平成19年度の導入まで時間が少ないと思われますが、本市ではどのように取り組んでいくのかお聞かせください。 ◎農林水産部長(大和田正人君) 現在、関係機関や団体などと連携しながら各地で説明会を開催するなど周知を図っているところであり、平成18年度には、モデル事業が市内2地区において実施される予定でございます。このモデル事業の実施状況などを参考にするとともに、国・県の動向や本施策の政策の方向性などの情報収集に努め、平成19年度の導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 ◆1番(蛭田源治君) 平成19年度の導入まで時間が余りありませんので、まずは早く農家の皆さんに内容をよく理解していただきまして、それぞれの対策に取り組んでいただきたいと思います。 最後の質問になりますが、この対策は、農地・水・環境の良好な保全と質的向上を図るため、農業者や地域ぐるみでの共同活動や先進的な営農活動などに取り組むことが必要になると思われますが、地域での活動を進めるに当たりましては、地域農業者の代表であります農業委員の果たす役割が大きいと考えるところでございます。このことを踏まえまして、この対策の推進において、農業委員会ではどのように取り組むのか最後にお伺いして、私の質問を終わらさせていただきます。 ◎農業委員会事務局長(永山肇一君) 本対策の推進におきましては、集落における農業者とともに農業者以外の地域住民などで構成されます活動組織を設置することが要件となっておりますことから、この活動組織の設置に際しましては、農業者や地域住民のまとめ役として、農業委員が重要な役割を果たす必要がございます。 また、エコファーマーへの取り組みを初めとした、農業者ぐるみでの先進的な営農活動においても、農業委員みずからが主体的かつ積極的に取り組みを進めるとともに、関係機関・団体との連絡調整などの役割を果たすものでございます。さらに、本対策の取り組みを進める上で、集落内の農地の利用関係を調整することについても、農業委員会が積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。------------------ △延会 ○議長(藁谷利男君) お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。                〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(藁谷利男君) 御異議なしと認め、延会することに決しました。 次の本会議は3月6日午前10時より再開の上、市政一般に対する質問を続行いたします。 本日はこれにて延会いたします。               午後4時17分 延会                  ---------...